海と鉄の授業
2025-11-19 11:32:13

北九州市の小学4年生が体験!鉄鋼で海を守るスペシャル授業

北九州市の小学4年生が体験!鉄鋼で海を守るスペシャル授業



2025年10月8日、北九州市内の公立小学校で、特別な授業が行われました。この授業は、共育パレット株式会社が運営する「SPOT TEACHER」によって企画され、海洋エンジニアである余田昂彌氏が講師を務めました。テーマは「鉄で海を守る!?お魚のすみか“魚礁”のひみつ」。

SDGsを学ぶ新たな試み



北九州市では初めてのSPOT TEACHER授業となり、4年生の子どもたちに向けて、海の環境と産業の関わりを直に感じてもらう内容が展開されました。自然の保全に関心を持つ子どもたちに、鉄鋼業が担う役割をリアルに説明するこの授業は、企業の専門家と学校のニーズを結びつける新たな挑戦でもありました。

魚礁の秘密を探る



授業の冒頭、余田氏が小さな模型を4つ持ち出すと、教室内は興味津々のざわめきに包まれました。模型は、高さ35メートルの実物大に相当する人工魚礁のミニチュア版。彼は、「私たちはこれらを海に沈め、魚やイカの住処をつくる仕事をしています」と説明しました。子どもたちはその話にすぐに引き込まれました。

授業では、人工魚礁がどのように海の環境を改善するか、そのメカニズムが次第に明らかになりました。実際に海に沈められる映像や、水中ドローンによる調査映像が活用され、自然と産業がどのように相互作用するかを理解する素晴らしい機会が提供されました。

「魚礁は魚を“とる”ために作るのではなく、魚を“育てる”ためなんです。」と余田氏が語ると、教室からは「へぇ〜!」という驚きの声が。魚礁がいかに魚の生活環境を整えるか、また自然界での役割について語られる中、子どもたちの目は釘付けになりました。

水中ドローンの登場



さらに、実際の調査で使用される水中ドローンも授業に登場。150メートルまで潜れるこのドローンが暗い海の中を照らす姿に、「すごい!」との歓声があがりました。通常の教科書では体験できない、海洋環境のリアルが浮かび上がる瞬間でした。

授業の終盤、余田氏は子どもたちに問いかけました。「では、50年後この魚礁はどうなっていると思いますか?」

「壊れたり錆びたりする!」と答える子どもたちに対し、余田氏は、「鉄は自然の一部だから、最終的には海の栄養にもなるんです。ゴミにはならない。」と優しく続けました。この言葉に教室は静まり、子どもたちは真剣にその情報を心に刻んでいました。

子どもたちの反応



授業後のアンケートでは、参加した児童の100%が「おもしろかった」と回答し、82%が「将来の仕事について考えたくなった」と述べました。また、97%が「普段の勉強や生活にも役立つと思う」と答えるなど、学びの場としての価値が明確になりました。

中山製鋼所の余田氏は、「鉄鋼業における環境への配慮や、海洋エンジニアリングの重要性を伝えることができたことに感謝しています」と語り、授業の影響を実感しました。教師たちも、企業の専門家とパートナーシップを結ぶ意義を深く理解し、今後のSDGs教育につなげていくことの重要性を強調しました。

今回の授業は、SDGsの目標に対する重要な学びの一環でした。目標14「海の豊かさを守ろう」に直結する内容であり、企業や学校が連携して取り組む必要性感を強く感じさせるものでした。

今後も、SPOT TEACHERは全国の学校と企業の連携を強化し、子どもたちの学びをさらに深める取り組みを続けていく予定です。社会全体での持続可能な行動の大切さを伝えるため、中山製鋼所をはじめとする企業と共に、海洋環境保全の重要性を広めていくことが求められています。

この特別授業が、未来を担う子どもたちに新たな視点を提供し、ただの情報ではなく実体験を通して学びの重要性を育む契機となることを願います。


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