新たな芸能に触れる『庶民の芸能を読む会 第一冊 翻刻ちよぼくれちよんがれ』発刊イベントのご紹介
2025年6月、東京・新宿で特別なイベントが開催されました。新たに発行された書籍『庶民の芸能を読む会 第一冊 翻刻ちよぼくれちよんがれ』の発刊記念イベントです。この書籍は、初代桜川唯丸流江州音頭の音頭取りとして名を馳せる中西レモンが編集を手がけたもので、かつて庶民が楽しんでいた芸能文化に深く迫る内容となっています。
書籍の内容とは
『庶民の芸能を読む会 第一冊 翻刻ちよぼくれちよんがれ』では、江戸後期以降の庶民に親しまれた歌や語りを通じ、ちょぼくれ・ちょんがれに焦点を当てています。この翻刻集は、参加者と共に読み進めてきた古典的な芸能の資料を基にしており、庶民の生活や価値観が反映された数々の物語や歌が含まれています。
特に18篇にわたる語りや歌は、庶民の心を掴む内容で、テーマには盗賊や剣豪、仇討ち、地獄といった観る人を引き込む魅力があります。解説には、芸能研究家である上島敏昭氏が寄稿し、その深い洞察が詰まっています。
イベントの詳細
書籍の発売を記念するこのイベントでは、6月13日から15日まで、新宿のIRREGULAR RHYTHM ASYLUMで展示とトークイベントが行われました。展示では、冊子に収録されたちょぼくれ・ちょんがれに関する本や、表紙絵の展示が行われ、多くの来場者が訪れました。
トークイベントは6月14日の夕方に開催され、高座のように観客に向かって話す上島氏と中西レモンの二人が登壇し、江戸の庶民の芸能文化に関する興味深いお話が繰り広げられました。参加者は積極的に質問を投げかけ、熱い話題で盛り上がりを見せました。
中西レモンと上島敏昭のプロフィール
中西レモンは、和光大学で芸術学を学び、その後、庶民の芸能に深く関わり始めました。2017年からは、「庶民の芸能を読む会」の案内役として、これらの伝統文化を広める活動を続けています。彼女のアルバム『ひなのいえづと』も高い評価を得ています。
一方、上島敏昭は、大道芸人として知られ、その豊かな経験に基づいた話は参加者に強い印象を与えました。彼の研究は、現代においても多くの人々に影響を与えています。
最後に
このように、『庶民の芸能を読む会 第一冊 翻刻ちよぼくれちよんがれ』の発刊イベントは、ただの書籍の発行を超えて、庶民文化の理解と楽しみを再確認する貴重な機会となりました。江戸時代の芸能を通じて、現代に生きる私たちは何を学べるのか、またそれをどう次世代に伝えていくのか、考えさせられるイベントでした。この良き伝統を未来に繋げていきたいですね。