大阪・関西万博で放射線診断の新たな未来を展望
2025年10月13日、ミラノのイタリア館において、「SDGs + Beyond いのち輝く未来社会」のテーマウィークに参加する形で、放射線診断に関する画期的なイベントが行われました。イタリア館のゴールドスポンサーであるブラッコ・グループは、持続可能性を基盤とした放射線診断の重要性を訴え、国内外の放射線科医や専門家とともに、その具体的な取り組みについて議論を交わしました。
このイベントは、イタリア側の文化・科学・教育担当責任者ロッセッラ・メネガッツォ氏の出席のもと、ブラッコ社の代表や日本医学放射線学会の幹部、さらには欧州の著名な放射線専門家が一堂に会し、放射線診断による医療分野のサステナビリティを構築するための貴重な機会となりました。参加者にとって、このテーマに対する関心の高さが視覚的に示された瞬間です。
特に注目されたのは、ブラッコ社が進める「Re.Water」プロジェクトです。これは、病院の排水中に含まれる造影剤を削減することを目指し、独自に開発した濾過システムを導入する試みです。イベント中、ブラッコ・グループ・包装技術イノベーションマネージャーのエリック・ブルーノ氏は、同プロジェクトについて「病院で使用する特別なトイレを介し、排水中の人工物を濾過し、貴重な原材料を回収することで、環境への影響を最小限に抑えることができる」と語りました。
午前のセッションでは、様々な視点からの意見交換が行われ、日本と欧州の放射線診断分野における持続可能な取り組みが具体的に紹介されました。日本医学放射線学会会長の冨山憲之氏、ヨーロッパ放射線学会のアンドレア・ロックオール氏、そしてブラッコ社の坂本哲章氏などがそれぞれの立場から議論し、次のステップへとつながるアイデアを提示しました。
最終的には、ブラッコ社APAC統括責任者のヴァルテロ・カネパ氏が、環境問題への従来のアプローチを超えたサステナブルなイノベーションの必要性について強調しました。彼の発言は、放射線診断分野での環境負荷低減に向けた強い意志を示すもので、参加者全員に深い感銘を与えました。
このイベントを通じて、医療分野におけるサステナビリティを推進するためには、個々の努力だけでなく、産業全体が一体となったアプローチが不可欠であるとの認識が強まりました。日本放射線学会も「グリーン・ラジオロジー」の実現に向けて改めてコミットし、積極的な意見交換を行いました。
ブラッコ社は、造影剤の効率的な使用や、マルチドーズ方式の導入といったさまざまな手法で持続可能な診断運営を実現するための実践事例を紹介。次世代の放射線診断技術がもたらす可能性をテーマに、多くの専門家たちが期待を寄せました。
このように、大阪・関西万博におけるブラッコ社の新たな取り組みは、医学界に持続可能性をもたらす一歩となることでしょう。今後も引き続き、医療分野における革新に注目していきたいと思います。