多様性をテーマにした音楽イベントの報告
2025年3月27日、東京・Google渋谷オフィスにて「YouTube Japan Women in Music with ちゃんみな supported by Billboard Japan」が開催されました。このイベントは、音楽業界での女性の活躍をサポートするための取り組みの一環として行われ、多様性に対する意識を高めることを目的としています。
「YouTube Women in Music」は、音楽界におけるジェンダーギャップについての知識を広めるだけでなく、参加者同士の対話を促す場でもありました。最初に、YouTubeアーティストリレーションズの佐々木舞氏がモデレーターとして入り、関与している各団体の取り組みを紹介しました。特に、Billboard JAPANの編集長、高嶋直子氏は、アメリカや他国の活動に関する事例を引き合いに出し、TuneCore Japanの新妻里華氏は、女性アーティストの収益が年々増加していることを報告しました。加えて、The Orchard Japanの増田雅子氏は、CEIPA x TOYOTA GROUPによる「MUSIC WAY PROJECT」を紹介し、参加者への呼びかけを行いました。
続いて、今回のメインスピーカーであるちゃんみなが登壇しました。彼女はラッパー・シンガーとしての活動はもちろん、ガールズグループ“HANA”のプロデューサーとしても注目を集めています。ちゃんみなは、音楽を通じて社会の問題を変えたいという思いを強調しました。「報われるべき才能が報われ、努力が実を結ぶ時代を作りたい」と彼女は語り、ガールズオーディション「No No Girls」の意義について深く掘り下げました。
「No No Girls」は、従来の偏見を排除したオーディションで身長や体重、年齢、国籍に制限がなく、多様性を受け入れることを目的としています。ちゃんみなは多様性について、「外見やジェンダーの受け入れだけでなく、本質を理解することが大切だ」と述べました。自身がキャリアを進める中で、周囲の期待やイメージが選択肢を狭めることがあると指摘し、参加者たちにも「イメージを無くし、お互いを理解し合う眼差しで接してほしい」と呼びかけました。
さらに、文化や民族の多様性についても触れ、日本のアイデンティティの重要性を強調しました。「私たちの持つ特性や価値を大切にしながら、世界中で認知されることが重要」と訴え、音楽を通じてどのように世界に発信していくかを再考する契機ともなりました。
イベントの最後には、参加者からの質問にも答える場面がありました。「日本の音楽業界に期待することは?」という問いに対し、「オリジナリティを求めたい」と返答し、日本のユニークさを生かした音楽を期待すると語りました。また、注目を集めた「おかんバイブス」の意味についても触れ、彼女が困難な状況を乗り越えられた理由を語りました。「皆さんも心におかんを宿してほしい」との言葉には、参加者からの共感も寄せられました。
このように、音楽業界での多様性や人々の意識を変えていくための重要なメッセージが発信されたこのイベントは、参加者の心に響くものでした。「YouTube Japan Women in Music with ちゃんみな」は、音楽の未来を考える良い機会となりました。今後の音楽界に期待が高まります。