岡山大学がついに味覚のメカニズムを解明！酸味の異常はシナプスの不全から

岡山大学が新たに明らかにした味覚のメカニズム

岡山大学の研究チームが、味細胞におけるシナプスの機能的役割に関する新たな知見を発表しました。この研究は、味細胞のシナプスの不全が酸味に対する応答に特異的な影響を与えることを示しました。

研究の概要

この研究は、岡山大学の堀江謙吾助教や吉田竜介教授らのグループによって行われました。彼らは、特定のシナプス関連遺伝子を欠損させたマウスを用いて、味細胞内のシナプスがどのように働いているのかを調査しました。実験の結果、酸味への応答のみが減少することが明らかとなり、他の基本的な味（甘味、うま味、塩味、苦味）には影響が見られませんでした。

酸味受容細胞の維持に成功せず

研究によって、味細胞のシナプスが機能しないマウスでは、酸味を感じるための細胞が減少していることも発見されました。この結果は、酸味を受容する仕組みが他の味覚とは異なることを示唆しており、味覚の情報処理に関与する神経メカニズムが複数存在することを示しています。

研究成果の意義

この研究成果は、2025年6月24日に「The Journal of Physiology」に掲載され、広く評価されています。味細胞のシナプス異常が酸味特異的な味覚障害（sour ageusia）を引き起こす要因となる可能性があることから、今後さらなる研究が期待されます。吉田教授は、酸味を感じる味細胞だけが化学シナプスを利用している理由や、他の味との違いに対する疑問を提起し、この研究が味覚の理解を深める一助になることを期待しています。