管理職の悩みと役割認識に迫る！組織育成の実態調査結果

この度、ALL DIFFERENT株式会社ならびにラーニングイノベーション総合研究所が実施した「管理職意識調査」では、管理職531名を対象にその役割や抱える悩みを明らかにしました。調査は2025年5月20日から7月17日の期間に行われ、特に課長以上の管理職に焦点が当てられています。

調査の背景

企業環境の瞬時な変化に伴い、管理職に求められるスキルや役割が急激に多様化してきました。負担と報酬のバランスが取れないと感じる人が増え、必ずしも管理職が目指されるべき位置ではなくなりつつあります。しかし、管理職は組織の中核を担い、現場と経営層の橋渡しをする重要な役割を果たしています。組織全体の成果を向上させるには、強固なリーダーシップが不可欠です。今回は、そんな管理職がどのような認識を持ち、何に悩んでいるのかを探ります。

調査結果の概要

1. 最大の悩みは「部下の育成」

調査結果、全管理職の中で最も多かった回答は「部下の育成」で、51.0%がこの問題に直面していると明言しました。他には「部門の成果」が34.7%、続いて「方針・戦略の浸透」が32.5%と続きました。このように、高い割合で管理職が部下育成の重要性を感じていることが示されました。

2. 各ステージにおける特徴的な悩み

新任管理職（1～3年目）は「部下の育成」に加え、「マネジメント知識の不足」による悩みが際立っており、ベテラン管理職は「コミュニケーション」が課題となっています。一方、幹部候補は「方針や戦略の浸透」に大きな悩みを抱えていました。これらの結果から、各ステージで異なる課題が浮かび上がります。

3. 自身の役割認識

調査により、管理職自らが認識する役割も明らかになりました。新任管理職とベテラン管理職は「方針の伝達」を重視している一方で、幹部候補は「事業計画・部門戦略の構築」により強い意識を持っていることが分かりました。これにより、職務が求められるスキルセットの進化が伺えます。

4. 業務内容の実態

調査では、管理職が日常の業務にどれだけの時間を費やしているかを問う結果が出ました。新任及びベテラン管理職は「プレーヤー業務寄り」の傾向が見られましたが、幹部候補は「マネジメント業務寄り」に多くの時間を割くと答えていました。この差は、役職の進化過程に反映されています。

5. 課題に対する意識の違い

「プレーヤー業務寄り」の管理職は、部下育成やコミュニケーションへの課題意識が高く、一方「マネジメント業務寄り」の職層は「方針や戦略」に関する課題を重視しています。このように職務内容の違いが課題意識のあり方にも影響を与えています。

まとめ

今回の調査結果から、管理職が直面している「部下の育成」という根本的な悩みが浮き彫りになりました。新任から幹部候補まで、それぞれが異なる悩みを抱えているものの、全体としては部下育成に対する意識が高いことが見受けられます。将来的には、管理職がプレーヤー業務から脱却し、より戦略的な業務に注力できる環境作りが求められています。企業としても、管理職の育成や人材育成を評価する制度を改めて見直すことが必要です。