日本最古の絵の具店『上羽絵惣』の魅力
放送中の番組「冨永愛の伝統to未来」では、モデルで女優の冨永愛が日本最古の絵の具店『上羽絵惣』を訪れ、その魅力を探る様子が披露されました。江戸時代後期に設立されて以来、270年以上にわたりやってきたこの絵の具店は、伝統と現代を融合させながら多彩な色彩表現を提供しています。
絵の具の魅力に迫る
『上羽絵惣』が提供するのは、1200色以上の伝統色です。古来から受け継がれてきた技術を駆使し、さまざまな絵画表現をサポートしています。江戸時代に活躍した伊藤若沖や円山応挙といった著名な絵師たちが使用したれらの絵の具は、今も多くのアーティストに愛されています。
冨永愛が店内を見学した際、彼女の目を引いたのは、絵の具の箱に描かれた「白狐」でした。これは、当時のアール・ヌーヴォーの影響を受けたデザインであり、上羽絵惣のトレードマークとしても知られています。冨永もその美しさに感心していました。
胡粉の驚きの作り方
『上羽絵惣』の看板商品である「胡粉」は、日本画の基盤となる白い絵の具で、多岐にわたる作品に使用されています。この胡粉は、一体どのように作られているのでしょうか?
稲土舞夕子さんによると、胡粉は山のような貝殻を野ざらしにし、なんと10年以上の歳月をかけて風化させるとのこと。冨永もその独特な制作過程に興味津々だったようです。原材料には高純度の炭酸カルシウムを含むホタテの貝殻が使用されており、細かく砕かれ、複雑な工程を経て美しい白色の胡粉が完成します。
新しい色彩のクリエーション
また、上羽絵惣が独自に開発した新彩岩絵具も注目されています。色の種類が豊富で、一見同じ色に見えるものでも、実は異なる微妙なトーンが存在します。各色には独自の名前が付けられており、その背景には興味深いストーリーがあります。
例えば、「新橋」という名の青い絵の具は、新橋芸者が好んで使った色に由来しています。このような名前を掘り下げることも、観賞や学びの楽しみです。
未来への挑戦
270年の歴史を誇る『上羽絵惣』ですが、最近では日本画を学ぶ人が減少していることが近年の課題です。特に、絵の具職人の高齢化も進んでいます。そこで、上羽絵惣が今新たに進めているプロジェクトが「胡粉ネイル」です。胡粉を使用したネイルは、従来のものと比べて無臭で、子どもや妊婦も安心して使えると評判です。
このように、上羽絵惣は伝統を守りつつ、時代に合わせた製品開発に力を入れています。冨永愛が案内役を務める番組「冨永愛の伝統to未来」では、こうした情報に加えて、彼女のオフショットなども見ることができます。放送は毎週水曜日の夜10時から、BS日テレで行われています。見逃せない内容盛りだくさんのこの番組に、ぜひ注目してみてください。