あみだくじで社長に就任！経営破綻を乗り越えたビジョンメガネの軌跡

あみだくじから社長へ！ビジョンメガネの驚きの復活劇

ビジョンメガネという名前は、多くの関西人の耳に残っている。1976年に創業し、関西で知名度を誇るこの企業は、過去に経営破綻の危機を迎えたことがある。その立て直しを成功させたのが、安東晃一氏だ。彼の経営術とその背後にある「人を生かす」戦略について迫る。

経営破綻の過去

ビジョンメガネは2013年に「事実上の倒産」を経験した。当時の経営は一時的に上場していたものの、安価な競合の登場で大打撃を受け、顧客を奪われてしまった。安東氏は2012年、ますます厳しい環境の中、前任の社長から後を引き継ぐように頼まれたが、拒否した。その後、運命のあみだくじで引き当てた社長職へと導かれることに。

この時39歳、彼の手には大きな責任が託された。一時、42店舗を閉店し、約100人の人員削減という厳しい決断を迫られる中、安東氏は自らの経営哲学を持つことの重要性に気づく。

人を生かす経営戦略とは？

安東氏が決めた経営改革のキーワードは「人」である。彼は「地域密着型のかかりつけ医のようなメガネ店」にしたいと考え、店舗スタッフの知識を最大限に活用する方針を打ち出した。

地域密着型のサービス

全店舗で行う眼鏡の無料クリーニングサービスや、詳しいヒアリングを行う視力測定は、顧客との信頼関係を築くための大きなステップだ。さらに、社内教育制度にも力を入れ、自社のオリジナルブランドを充実させていく。

特に、曲げても壊れない「形状記憶メガネ」は大ヒット商品となり、2001年からの累計販売本数は66万本を超えた。安東氏は商品の開発においても、「お客様のニーズを徹底的に把握し、顧客に寄り添う姿勢」を重視している。