医工分野での新たな挑戦
国立大学法人岡山大学では、2025年3月2日に医工系コース上級カリキュラムが株式会社日立ハイテクとの連携により実施され、技術職員の専門的なスキル向上を図る取り組みが行われました。このカリキュラムは、産学連携を強化し、国立大学と企業の協力体制を一層深化させることを目指しています。
カリキュラムの内容
開催日には、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡の技術を中心に据えた内容が組まれており、両機器の原理や操作方法、さらには最新の解析機能について深く学ぶことができました。講師として参加したのは、株式会社日立ハイテクの専門技師である宮木充史氏と和久井亜希子氏です。彼らの指導のもと、技術職員たちは基本操作から高度な応用技術まで幅広く学びました。
例えば、初日は走査型電子顕微鏡(SEM)とFIB-SEM、続く2日目には透過型電子顕微鏡(TEM)とSTEMについての講義と実習が行われ、受講生はいくつかの重要な技術的側面を実践的に体験しました。
受講生の声
受講生の一人、楢崎正博技術専門職員は「最新の機器を使用した実習が新たな発見や技術の習得に繋がる貴重な機会となりました。今後はこれを活かして、より研究者との協働や研究成果に貢献できるようにしていきたい」と意欲を語りました。
また、塚野萌美技術主任は「さまざまな顕微鏡技術に触れてその多様性に感動しました。観察条件の違いで得られる情報の変化にも驚かされました」と、技術の奥深さに感銘を受けたとコメント。
大学の抱負
岡山大学の総合技術部本部長、佐藤法仁副理事は、今回の取り組みが「全国の研究基盤の底上げに繋がる」と述べ、技術職員の高度化や産学連携の重要性を強調しました。彼は、将来的にはさらに国際的な連携や新たな技術開発に挑戦し続ける意欲を示しました。
産学連携の未来
今後も岡山大学は、株式会社日立ハイテクをはじめとする企業との連携を強化し、さらなる技術職員の育成や研究環境の充実を図っていく予定です。地域との共創を目指し、持続可能な社会を実現していくための努力を続けていく所存です。
この取り組みは、文部科学省が助成する『地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)』の一環として行われていることも特筆すべき点です。岡山大学は地域の持続可能な発展に貢献すべく、今後も様々な挑戦を続けていきます。