桃太郎フォーラム2025の概要
2025年10月18日、岡山大学津島キャンパスにて「桃太郎フォーラム2025」が開催され、学内外から約100名が参加しました。本フォーラムは28回目を迎え、今年のテーマは「今こそ、学生が思考するキャンパスをつくる」とされていました。この目的のもと、学生が自身の思考を深めるためのシンポジウムが組織されました。
開会の挨拶
フォーラムは、菅誠治理事(教学担当)と上席副学長による開会の挨拶でスタートしました。続いて、文部科学省の石川雅史氏が参加者へ来賓の挨拶を行い、教育の重要性と学生の思考を促す環境について触れました。
教育改革の枠組み
田中岳副学長が、「感じる」「思う」「考える」のそれぞれのプロセスを重視した教育改革の枠組みを説明しました。これに関連し、「個人思考-集団思考」、「発想・対話・創出-知識・伝授・習熟」の軸に基づいた新たな授業形式を導入する計画が語られました。
探究プログラムの紹介
事例報告では、早稲田大学高等学院の小川慎二郎氏が、探究プログラムの具体例と生徒の自主的活動を促す支援について話しました。このアプローチは、岡山大学でも応用可能な教育手法として注目を集めました。
課題探究科目「知の探研」
特に注目されたのは、岡山大学が2025年度から展開予定の課題探究科目「知の探研」です。このクラスは異なる学部の学生による混合編成や、教員同士のコラボレーションを重視した授業設計が特徴とのことです。実践例や学生のフィードバックに基づく成果も報告され、とても期待されています。
海外研修プログラムの報告
森紀華さんは、大学院環境生命自然科学研究科が提供する海外研修プログラム(OU-TACT)についても報告。台湾の先端研究施設から得た学びが、今後の自身の研究にどのように活かされるかを紹介しました。
ラーニングコモンズのデザイン
関西大学の岩崎千晶教授が、ラーニングコモンズのデザインについて話し、具体的な事例を通じて学生が思考する空間の重要性を共有しました。このような学びの場での「混ぜる・混ざる」ことが、学生の成長にどのように貢献するのかが示唆されました。
パネルディスカッション
フォーラムの後半ではパネルディスカッションが行われ、東京大学の福留東土教授が基調報告を務めました。思考に関する身体性や相対性、協働性についての議論が展開され、教育の知識の在り方を再考する契機となりました。
参加者の反響
参加者の満足度は非常に高く、90%以上が「満足」「やや満足」と回答。多様な事例から新たな知見を得る良い機会となり、学生間の協働の重要性を再認識させられました。最後には閉会の挨拶があり、活気に満ちたフォーラムは盛況のうちに終了しました。
今後も岡山大学は教育改革を進め、地域社会における学生の思考を促す環境づくりを継続していくことでしょう。そして、「桃太郎フォーラム」はこれからの教育に新たな示唆を与え続けるイベントであることが期待されます。