大阪を見つめ直す一冊
このたび、新刊『70年前の傷跡』がアマゾン限定で発表されました。本書は、著者の成瀬昭彦が戦争を知らない子どもとして育った自身の経験を通じて、広島・長崎、さらには大阪の被爆の記憶に向き合った内容となっています。これらの街を通じて過去の傷跡と、それにを受け継ぐ現在を考えることを促しています。
思い出の広島
成瀬氏が広島を訪れたのは、彼の青春時代である20歳の夏でした。原爆ドームの前で過ごしたその瞬間、彼は45年前の時間が凍った空間で立ち尽くし、深い衝撃を受けます。そこで、彼の中に平和への思いが芽生え、戦争の記憶をどう受け止めていくのか、自問自答を繰り返すことになります。
この本では、著者が見たこと、聞いたこと、そして感じたことをストレートに反映させています。彼の視点を通して語られる戦争の記憶は、観光地を訪れるだけでは得られない貴重な経験です。
大阪の模擬原爆パンプキン
興味深いことに、成瀬氏は後に、大阪にも模擬原爆が投下されていた事実を知ります。この「模擬原爆パンプキン」という存在格は彼にとって衝撃的であり、さらなる調査へと導きます。戦争は直接の経験がなくとも、自分の身近で起きていた事実を通じて、もっと広がりを持った理解へと繋がっていくことができる様子が描かれています。
平和への再考
現在、私たちが暮らす社会の中で、戦争の記憶は決して忘れてはいけないものです。著者は、コロナ禍の中で静かに行われた追悼式への参加を通じて、再び平和について考え直します。歴史は過去のものではなく、今生きている私たちの日常に密接に関わっていることを、著者は静かに問いかけるのです。
読者へのメッセージ
成瀬氏は、歴史を知ることで現在の自分を見つめ直すことができると信じています。この本を手に取った読者が、それぞれの視点で戦争や平和について考えを深めてほしい、そんなメッセージが込められています。
著者の足跡
成瀬昭彦は1970年に堺市で生を受けました。印刷業界で働いた後、小説執筆の夢を追い、数々の挑戦を経て作家として活動を開始しました。彼の作品には、生命の尊さや歴史の教訓が反映されています。
書籍情報
『70年前の傷跡』は、パレードから2025年7月18日に発売される予定です。四六判で54ページ、価格は1,100円(税込)です。興味のある方は、ぜひアマゾンでチェックしてみてください。
本書を通して、一人一人が戦争の記憶に触れる大切さを再確認するとともに、平和の意味を深く考えられることを願っています。