電子カルテ「iBow」が実現する新時代の訪問看護システムの可能性

在宅医療を支える新たな一手、iBowの進化

株式会社eWeLL（証券コード：5038、所在地：大阪市中央区）は、訪問看護専用の電子カルテ「iBow」が2025年12月から「みなし訪問看護」に対応することを発表しました。この新機能により、在宅医療の質向上と効率化が期待されています。これに伴い、訪問看護に従事する医療従事者の負担軽減や地域医療への貢献が一層推進されることになるでしょう。

日本の医療の変革期

現在、日本の医療は大きな転換期にあります。団塊世代が後期高齢者となる2025年には、高齢者人口がピークに達し、医療提供体制に大きな影響を及ぼします。厚生労働省が進める「地域医療構想」に基づいて、病床機能報告は見直され、病床数の適正化や在宅医療へのシフトが進められています。

病院経営において最大の課題は、「看護配置基準」に伴う人的資源の再配置です。急性期医療においては手厚い配置が求められますが、診療報酬の改定による要件厳格化により、この基準を満たすことが年々困難になっています。この影響で、病院は病床数削減や他の病棟への機能転換を余儀なくされています。これにより、看護師の新たな活躍の機会が求められています。

みなし訪問看護の重要性

在宅療養を志向する患者が増加する中、訪問看護の供給不足も深刻化しています。その解決策として注目されるのが「みなし訪問看護」です。これは医療機関から直接地域に出向く看護の仕組みで、看護師が病院に所属しながら訪問を行うことで、地域医療に対する戦力を強化します。

みなし訪問看護の拡充は、現代の医療機能の分化と連携においても重要な役割を果たします。全国的に見ても、このサービスに対するニーズは高まる一方で、厚生労働省のデータによると、医療保険での訪問看護の算定回数は急増しています。つまり、みなし訪問看護の必要性が、今後ますます高くなることが示されています。

iBowの充実した機能

「iBow」は、訪問看護専用の電子カルテとして、全国3,300以上のステーションで導入されています。このシステムは、訪問看護特有の制度に対応して設計されており、PCやタブレット、スマートフォンからもアクセス可能です。その利便性は、看護師の業務を支える大きな要因となっています。

新たに追加された「みなし訪問看護に準じたサービス提供票の出力機能」では、設定を変更するだけで、自動的にサービス内容がみなし訪問看護形式に変換されます。これにより、訪問看護を行う方々は効率的に業務を行うことができ、質の高い医療サービスの提供に貢献します。

未来の医療体制に向けた展望

2040年に向けて、医療を取り巻く環境は急速に変化しています。eWeLLは、訪問看護に特化したサービスを提供することで、在宅医療の質を向上させる取り組みを進めています。地域全体の医療リソースを最適化し、病院からの退院支援を効率化する取り組みを行うことで、慢性期医療を円滑に支えます。今後も、在宅医療のプラットフォーマーとして、地域医療の発展に寄与していく所存です。