静岡市が東京ゲームショウで魅せる未来のクリエイティブ産業
2025年9月25日、幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2025」で、静岡市と総合学園ヒューマンアカデミーが連携し、地域のデジタル人材育成をテーマとした貴重なトークショーを行いました。教育機関、企業、そして行政が一体となり、静岡市の未来のクリエイティブ産業の発展を目指す取り組みが鮮明に示されたこのイベントをレポートします。
概要と背景
静岡市は2005年に全国で14番目の政令指定都市に昇格しましたが、今や人口減少が深刻な社会課題として浮上しています。特に、5年前には人口が70万人を切り、2050年までには50万人を下回るという予測もあることから、地域の人材流出は大きな問題となっています。高校生や大学生の約40%が首都圏へ進学・就職する現状に対し、企業からは静岡市への進出ニーズが高まっており、そこのギャップを埋めることが急務とされています。
ヒューマンアカデミーはこの課題を解決するため、教育事業に40年の経験を持ち、静岡市と「デジタルを活用した人づくり及び新たな産業の集積に関する連携協定」を締結しました。この協定に基づいて、デジタル人材の育成や就職支援に取り組んでいます。
トークショーの内容
「クリエイティブ人材が静岡で学び、働き、暮らすこと」をテーマにしたトークショーでは、地元の教育機関や企業、クリエイターたちが集結し、多様な視点から静岡の魅力を語り合いました。モデレーターにはCGWORLD編集長の池田大樹氏が起用され、以下の登壇者が参加しました。
- - 映像作家 渡辺一基 氏
- - モノリズム合同会社 菅原範裕 氏、保坂昇秀 氏
- - 総合学園ヒューマンアカデミー静岡校 ゲームカレッジの時田遼氏
地元で働きたい学生の思い
時田講師は、静岡の学生の9割以上が地元で働きたいという意欲を示す一方で、選択肢が限られているために都会に行かざるを得ない厳しい現実を語りました。この地域でクリエイティブ業界が成長し、学生が地元で活躍できる土壌を作ることの重要性を強調し、多くの観客がその言葉に耳を傾けました。
移住クリエイターの体験談
登壇者の一人は、静岡の生活環境について詳述し、家賃が手頃で自然が豊かであること、そして都市部へのアクセスも容易であることを強調しました。この“ちょうどいい暮らし”が、クリエイティブな活動を促進し、生活の質を向上させているという意見が共感を呼びました。
静岡の魅力を発信
静岡の食文化や地域の人々の温かさについても、多くの登壇者が言及しました。「毎食お茶が出る」など、地域ならではの食文化が紹介され、これが静岡で働くことの幸せに繋がっていると話されました。静岡の自然と人々がもたらす寛容さは、クリエイティブな人材にとって大きな魅力です。
未来づくりに向けて
イベントの後半では、「地域と連携して新しいビジネスを生み出したい」という声が上がり、教育機関・企業・行政の連携による新たなモデルへの期待が高まりました。静岡市は、地域発のクリエイティブ産業の新しい拠点となることを目指しています。
ヒューマンアカデミーの取り組み
ヒューマンアカデミーでは、静岡市との協定に基づき、デジタル人材育成と産業集積を目的とした多様な教育プログラムを展開しています。特に、ゲームプログラマーやCGデザイナー、イラストレーターなど、クリエイティブ関連の職業に必要なスキルを育成するため、業界の最前線を見据えた教育を行っています。
また、最新のデジタルエンターテインメント産業の動向を収集・発信し、静岡市と情報を共有することで、地方創生に寄与しています。今後も、クリエイティブ産業の拠点として静岡を発信し続ける姿勢を堅持していきます。
これからも静岡市における教育の重要性とクリエイティブ人材の育成に注目していきましょう。