ヤンマーの熱電発電システムがもたらすCO2フリーの未来
1942年に創業したヤンマーホールディングス株式会社が、このたび開発した熱電発電システムは、工場で排出される高温ガスから熱エネルギーを回収し、CO2フリーでの発電を実現するものです。このシステムは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、未利用熱エネルギーの有効活用が期待されています。
システム概要
今回の熱電発電システムには、ヤンマー独自のサーモサイフォン式熱交換器が使用されており、これにより熱電モジュールの均等かつ高密度な加熱を可能にしています。その結果、高出力化が実現され、350℃以上の多様なガス熱源に対応することができます。この特性により、省スペースでありながら複数台の設置が容易に行え、多様な工場環境に適用が可能です。
さらに、この熱電発電システムは、年間で約30トンのCO2排出量を削減することができるとされ、環境負荷の低減にも寄与するものです。今後は、お客様のニーズに合わせて、社会的・経済的に最適な廃熱の活用を提案していくことが目指されています。
特徴
このシステムの魅力は、以下の特徴にあります。
1.
高温ガスでの発電: 350℃から800℃の高温ガスを利用できるため、多くの工場での導入が可能です。
2.
長寿命: 熱電モジュールにかかるストレスを最小限に抑えることで、10年以上の寿命が期待されています。
3.
簡単な設置: 排ガスダクトにボルト固定するだけで設置が完了し、冷却水供給と電気配線工事のみによって利用できる施工性を実現しています。
4.
静音性: 可動部がなく、騒音・振動が発生しないため、快適な作業環境を保つことができます。
市場へのアプローチ
現在、ヤンマーホールディングスはこのシステムの実用化に向け、事業性実証試験を進めています。これにより、貴社の産業現場における電力供給の新たな選択肢が生まれるでしょう。ヤンマーの関連会社であるヤンマーeスター株式会社が、今後このシステムを商品化することを目指しています。
また、本機器は2025年1月29日から31日まで、東京ビッグサイトで開催される「ENEX2025 第49回地球環境とエネルギーの調和展」に実機展示される予定です。
まとめ
ヤンマーの熱電発電システムは、環境負荷を軽減し、CO2フリーでの発電を可能にする革新的な技術です。使い勝手の良さや省スペース設計により、幅広い用途への適用が期待され、今後のエネルギー利用の新たな選択肢として注目されています。興味のある方は、ぜひ展示会などで直接この技術に触れてみてください。