大阪の共創拠点で始まる生成AI実証実験
株式会社エボルブが開発した生成AIプロダクト「PRizmo」は、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」にて、2025年7月14日に実証実験を開始しました。これにより、AI技術の新たな活用方法を探る取り組みが進められています。
AIコミュニケーターの設置
本実証では、QUINTBRIDGE内の5カ所に「AIコミュニケーター」を常設します。これらのAIコミュニケーターは、アバター型で動きのある表情や声を持ち、利用者とのインタラクションを通じて興味や関心を把握し、適切な情報を提供します。AIはRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を利用し、施設やスタッフに関する情報を整理し、ユーザーに対して個別に応対します。従来の機械的な情報提供ではなく、より人間に近い形でコミュニケーションを図ることが特徴です。
実証実験の目的
この実証実験の目的は、生成AIを活用したコミュニケーターの有効性を検証し、今後のビジネスやサービスにおける活用方法を見出すことにあります。また、AIとの会話を通じて、より多くの人々とともに考えるプロセスを生成していくことを目指しています。利用者のインタラクションを重ねることで、AIが相手の感情や価値観を学び、よりパーソナライズされた情報提供が実現します。
報告会とワークショップの開催
8月20日には、実証実験の成果報告会がQUINTBRIDGEで開催されます。当日は、AIコミュニケーターがどのように企画され、1か月間の運用結果についての講演が行われます。さらに、生成AIを利用した新たなビジネスアイデアを共創するワークショップも予定されており、参加者が実際にAIとの対話を体験しながら意見を交換する機会が設けられます。参加希望の方は、Peatixページより申し込みが可能です。
PRizmoの特長と導入のメリット
PRizmoは、対話形式でユーザーの関心を引き出し、それを基に最適な情報を提供する次世代のAI対話ツールです。既存のウェブサイトに簡単に組み込むことが可能であり、高コストや長期の開発期間を必要としない点が大きなメリットです。女性的な感性を持つアバターが生き生きとした表情を使ってコミュニケーションを取り、感情に訴える情報提供を実現しています。
共同創造の場「QUINTBRIDGE」
QUINTBRIDGEは、多様な企業やスタートアップ、自治体、大学が集うオープンイノベーション施設です。ここでは会員間の交流を促進し、新たな価値創造や社会課題の解決を目指して共創が進められています。AIコミュニケーターは、その交流の一翼を担い、より良いコミュニケーションの実現に寄与しています。
エボルブのビジョンと未来
エボルブの開発責任者は、「私たちのAIは、対話を重ねることで相手の価値観を学び、それを基に情報を提供します。技術で感情的なつながりを再現し、ユーザーに寄り添ったサービスを提供していきたい」と述べています。情報が氾濫する時代だからこそ、感情やコミュニケーションの大切さを再認識し、それを技術で実現する挑戦が続いています。今後もエボルブは、AIを便利な道具に留まらせるのではなく、共に歩む仲間として位置づけたプロダクトを提供していきます。