サステナビリティの象徴、ホタテ貝殻から生まれた「HOTABENCH」
2025年、大阪・関西万博で展示される新たなベンチ「HOTABENCH」は、廃棄されるホタテ貝殻を原材料として使用し、サステナブルなデザインで注目を集めています。大阪市に本社を構える甲子化学工業株式会社と、清水建設株式会社が共同で開発したこのベンチは、約1,000枚のホタテ貝殻をリサイクルし、環境に優しい素材作りに貢献しています。
環境に配慮した工夫とは?
「HOTABENCH」は、コンクリート製のベンチと比較して、およそ300kgのCO2を削減する設計となっており、このモデルを通じて貝殻の再利用の可能性を広げています。特に、このベンチは3Dプリンターを使用して造形されるため、型枠を作る手間を省き、更なるCO2排出を抑えています。また、デザインには自然界の生態を模倣した「バイオミミクリー」の考え方が取り入れられ、ホタテの貝殻の特徴を生かした特殊なリブ構造が特徴です。
万博を通じたエコへのメッセージ
2025年4月13日から開催される大阪・関西万博において、私たちは「HOTABENCH」を通じて訪れる人々に、廃棄物の現状を知ってもらいたいと考えています。環境問題は私たち全てが直面する問題であり、未来の世代により良い地球を残すための挑戦です。清水建設と共同で進めているこのプロジェクトは、持続可能な社会の実現に向けた一環であり、一人一人の意識が変わることが重要です。
3Dプリンティング技術の活用
清水建設の生産技術本部の小川達也氏によると、HOTABENCHは最新の建設3Dプリンティング技術を活用しており、型枠を使用せずに独自のデザインが生み出されています。この技術により、地域で収集したホタテの貝殻を軽量なモルタルと組み合わせ、独特の外観を持つ製品が生まれました。
「HOTABENCH」はただのベンチに留まらず、環境への配慮、ユニークなデザイン、そして地域経済への貢献が結びついた新しい形の公共アートとも言えるでしょう。
製造プロセスを体験するツアーも
本プロジェクトを理解するためのツアーも企画されています。参加者は、ホタテ貝殻を使ったモノづくり体験や、実際の製造工程を学ぶことができ、アップサイクルの魅力を直接体感することが可能です。特に、東京と大阪で開催予定のツアーでは、実際の製造過程に触れながら環境保護の重要性を学ぶことができ、参加者には新たなインスピレーションが得られるでしょう。
環境問題に立ち向かうことが未来を拓く
甲子化学工業の南原徹也氏は、ホタテ貝殻を再利用することで新しい可能性が広がることを強調しています。廃棄物を資源として再活用することで、地域と社会に貢献することが期待されています。この小さな一歩が、やがて大きな波となり、環境問題への解決策となることを信じています。
イベント情報
- - イベント名:大阪・関西万博
- - 展示時期:2025年4月13日(日)〜10月13日(月)
- - 展示場所:フューチャーライフビレッジ
この機会に、「HOTABENCH」を通じて未来の環境問題への意識を高め、サステナブルで豊かな社会を共に考えていければと思います。詳細は公式サイトをご覧ください。