歯科医療の安全確保に向けた新たな一歩
国立大学法人岡山大学は、歯科医療における医療安全の重要性を広く伝える書籍『知っておきたい歯科における医療安全対策』を2月22日に出版しました。この書籍は、歯科医療の安全文化を育むための体系的な解説を提供し、医科と歯科の認識のずれを埋めることを目指しています。
医療安全文化の必要性
医療安全の分野では、特に患者の安全を最優先とする「安全文化」を医療現場に根付かせることが必要です。しかし、歯科医療においては医科に比べてその整備が遅れています。医師や看護師などの関係者間での理解のずれが見受けられる中、岡山大学が出版するこの書籍は、そうした課題に対し一石を投じるものとなります。
本書では、岡山大学病院内で実際に発生した歯科インシデントの事例を通じ、いかにして医療現場の安全が確保されるべきかを詳細に解説。医師、歯科医師、看護師、薬剤師といった多職種の視点から、幅広い観点での議論がなされています。
著者陣と内容の特色
この書籍は、岡山大学病院の教員や医師たちによって監修・編集されています。主な監修者には、岡山大学病院の前田嘉信病院長、塚原宏一教授、窪木拓男教授が名を連ね、編集には白井肇講師と飯田征二教授が関与しています。特に、白井講師は医療安全管理部のゼネラルリスクマネージャーを務めており、歯科医療における具体的な知見を元に記述を行うことに力を注いでいます。
書籍の内容は、岡山大学病院での医療安全活動の実践をベースにしつつ、地域歯科医療現場における相互理解の促進を目的としています。高齢化が進む現代において、訪問歯科診療の需要も高まっており、歯科の安全確保の重要性は今後ますます増すことでしょう。
歯科インシデントの重要性
歯科医療においても、インシデントは決して無視できない問題です。本書では、実際のインシデントを取り上げることで、医療行為の中での歯科の位置づけを再評価し、それにより多職種が共通理解を持つことの重要性が訴求されています。
白井講師も、歯科の医療安全に関する複雑なリスクやその認識の難しさを語り、専門家だけでなく一般の人々にも理解を深めてほしいとの願いを込めています。彼の経験からも、多くの人が歯科医療に潜むリスクに驚くといいます。
今後の展望
岡山大学病院は、医療安全管理部を中心に、歯科医療に関連する全ての分野での安全を共有する体制構築に取り組んでいます。本書の発刊によって、今後ますます健全で質の高い歯科医療が地域に根付くことが期待されています。岡山大学は、国民が安心して歯科医療を受けられるよう、医療安全の崇高な使命を果たすために邁進し続けます。
詳細な書籍情報はこちらから確認できます。今後とも岡山大学から目を離せません!