岡山大学の研究チームが、女性ホルモン・エストラジオール-17β(E2)が、ウシの卵管における筋肉の緊張度を直接制御する仕組みを解明しました。この発見は、不妊治療や家畜の受胎率向上に向けた新たな技術の開発に寄与すると期待されています。
研究は、大学院環境生命自然科学研究科の窪田早耶香さんを中心に、農学部の卒業生、大河原里紗さん、そして河野光平助教と木村康二教授の共同で行われました。彼らの研究によると、E2はウシの卵管の緊張度を増加させる一方で、排卵前の段階では影響を及ぼさないことが分かりました。また、E2の効果はRhoキナーゼ(ROCK)とRND3という因子によって制御されていることも示されています。
このメカニズムは、妊娠成立における精子や初期胚の輸送に必要なタイミングを整える役割があると考えられています。特に、E2の濃度が高くなる排卵前には、ROCKを阻害するRND3が活性化することでE2の緊張度増加効果が抑制されることが分かりました。これらの知見は、ヒトの不妊治療や家畜の受胎率向上に向けた技術開発に直接的に貢献できる可能性があります。
窪田さんは、「排卵前には女性ホルモンの効果が現れないことが意外であり、ここにリサーチの面白さを感じています。この研究成果が、最後には多くの人に役立てられることを願っています。」と語っています。
この研究成果は、不妊治療や家畜の受胎率向上に寄与するために、今後の技術開発へ応用されることが期待されています。2月16日に発表された論文は、学術誌「Reproduction」に掲載され、年々進化する科学研究の一端を担っています。
今後も岡山大学は、地域社会や農業分野に貢献できる研究を続けていく予定です。研究が進むことで、より安心して妊娠を可能にする技術が確立されれば、多くの家庭や農場での「子どもが生まれる喜び」が増えるかもしれません。さらに、岡山大学はSDGsを支援しており、持続可能な未来の実現に向けた試みも続けています。
この研究は、日本学術振興会の支援を受けており、地域と地球の未来を共創する岡山大学は、今後も国際的な研究舞台での取り組みを強化していくことでしょう。