身体に合ったゴルフの新しいアプローチ
新刊『GOLFカラダの教科』が、5月29日に発売される。著者は米国の理学療法士・髙田洋平氏であり、彼は伝統的なゴルフ理論に疑問を投げかける新たな観点を紹介している。ゴルファーそれぞれの身体特性を活かす方法が探求されており、これまでの「型にはめる指導」からの脱却を促す内容となっている。
この本は、プロゴルファーやゴルフ指導者から高く評価される「PRIISM Golf」の代表で、現場で得た豊富な経験をもとにしている。髙田氏の提唱するPRIISM Golfでは、スイングづくりにおいてゴルファー個々の身体特性を重視し、その特性を最大限に活かすことが目指されている。
型にはまらないゴルフ理論
従来のゴルフ指導は、多くが「理想のスイングフォーム」を教えることに焦点を当ててきた。しかしながら、すべてのゴルファーに共通する「正解の型」が存在するわけではない。骨格や柔軟性、筋力、動作の可動域は、人それぞれに異なるからだ。髙田氏は、「全員に同じ理論を適用することは、異なるサイズの靴を無理に履かせるようなものだ」と指摘している。
特に、身体に痛みを抱えながらのスイングや、自分にフィットしない理論に囚われることでスランプに陥ることが多いため、個々の身体の特性や動き方を知ることがとても重要である。
身体評価の重要性
髙田氏は医療現場の経験から、個々の身体の違いを認識することが成功への鍵であると述べている。この本では、股関節や肩甲骨の可動域、そして体幹の安定性や神経系の運動制御についての詳細な評価方法が紹介されている。これにより、ゴルファーは自身の身体を理解し、適切な動き方を見つけることができるようになる。
感覚の違いに注目
さらにこの本は、身体的な特性だけでなく、動作の感覚差にも言及している。指導者は、自身が簡単にできる動きを全ての人が再現できるとは限らないことを理解しなければならない。それに気づかないまま不適切なアドバイスをしてしまうと、選手を混乱に陥れる危険性もある。
身体から導く指導
本書が提唱するのは、「身体から導く指導」だ。自身の身体を知り、それに合った動き方を探求できれば、スイングは自然に改善される。フォームを修正するのではなく、身体の構造に基づいたアプローチこそ、ゴルファー本来の力を引き出す鍵とされている。実際、髙田氏は多くのプロゴルファーの身体評価に関わりつつ、効果的な指導法を模索してきた。
ゴルフを楽しむために
『GOLFカラダの教科』は、ゴルフを楽しむすべての方々に新たな視点と手応えを提供する。特に、身体の特性に悩む人や怪我を避けたい人、飛距離を伸ばしたい人には必読の一冊だ。髙田氏の思想は、ゴルフの本質を掴みたいすべてのプレーヤーに明確な指針を示してくれるだろう。
新しい知見で自分のゴルフをさらに向上させたい方は、ぜひこの一冊を手に取ってみてほしい。