異文化交流を通じたモノづくりの新たな形
2025年7月、国立大学法人岡山大学工学部は、台湾の長庚大学と共同で多文化共修プログラムを実施しました。このプログラムには、両大学の学生たちがペアやグループを組み、英語を共通言語として異文化交流に取り組む2週間の活動が含まれています。
このプログラムの主な目的は、ESD(持続可能な開発のための教育)の理念に基づく持続可能な社会を築くため、グローバルな視点を持つ人材を育成することです。参加したのは18名の学生で、彼らは両大学の文化や価値観を学び合う絶好の機会を得ました。
伝統工芸とモノづくりの体験
プログラム中、学生たちは日本の伝統工芸である日本刀や備前焼の見学や製作体験を通じて、日本のモノづくり文化への理解を深めました。この体験は、ただの観光とは異なり、実際に手を動かすことで文化の背景を深く理解するものでした。
例えば、参加者たちは備前焼の成形を行い、焼成の過程にも触れることで、職人の技術やその思いに直に触れる機会を得ました。このように、実際の体験を通じて学ぶことで、文化に対する理解は一層深まります。
創造性を発揮したモノづくりの挑戦
さらに、学生たちはラジオの製作などの創造的なプロジェクトにも挑戦しました。このアクティビティは、単なる知識の共有にとどまらず、両国の学生が協力し合い、意見を出し合うことで生まれる新たなアイデアや製品を形にする過程を重視しています。このような協同作業は、国際的な視野を広げることにもつながります。
異文化交流の重要性
最終的に、このプログラムは参加した学生たちに異文化交流を通じた国際的な視覚を広げ、課題意識を養う貴重な機会となりました。両大学の学際的な連携を強化することは、今後のプログラムの発展に繋がります。岡山大学では、この取り組みをソーシャルインパクト事業の一環として位置付け、地域社会への貢献と国際的な視野を持つ人材の育成を進めています。
今後は、工学部だけでなく他の学部との連携も視野に入れ、さらなる発展を目指しています。地域に根ざした特色ある研究大学として、岡山大学の取り組みには期待が寄せられています。
プログラムに参加した学生たちからは、異なる国の文化を体験したり、共に作業することでより深い理解が得られたとの感想が寄せられました。このような国際交流が続くことで、学生たちの視野が広がり、将来のグローバル社会において重要な役割を果たすことが期待されます。地域と国際の架け橋となるこのプログラムの今後の展開にも目が離せません。