南大阪地域の居場所づくりを加速する新プロジェクトが始動
南大阪地域において、居場所づくりや地域の拠点強化に取り組む「南大阪地域子育て支援ハブ形成プロジェクト」が始まりました。このプロジェクトを通じて厳しい環境にある子どもや若者のための支援を拡充し、地域のモデル化を目指すものです。約2年5ヶ月の期間で進められ、選ばれた5つの団体がそれぞれの事業を展開していきます。
プロジェクトの目的と背景
このプロジェクトは、公益財団法人泉北のまちと暮らしを考える財団によって実施され、過去の取り組みを基に行われています。2021年度から行ってきた活動では、約65,278人に対して多様な世代への支援を行い、地域の社会的孤立を解消するための3つの居場所事業を展開しました。
しかし、南大阪地域に目を向けると、常設型の居場所が不足しており、特に子どもや若者を取り巻く環境は厳しい状況です。そこで役立つ「実行団体が自ら居場所を運営すること」を目指す本プロジェクトでは、ファンドレイジングや情報戦略、人材育成の支援を行い、基盤を強化します。
採択された5つの団体とその事業内容
このプロジェクトに選ばれたのは次の5つの団体です。各団体はそれぞれ独自のアプローチで地域に貢献しようとしています。
1. 東深井つどいば食堂ふらっと
この団体は、誰もが学び集える居場所づくりと地域の相談窓口を提供します。これまでのこども食堂の活動をさらに充実させ、平日週3〜4回、土曜日は月2回の開催を目指します。不登校児童の居場所や学習支援の回数を増やし、参加者の学習意欲を高めるための活動を強化します。
2. あたごプラザ協議会
あたごプラザでは、地域の住民が集える拠点を築くためのプロジェクトを進めます。子ども食堂や子ども会的なイベントを通じて地域交流を図る場を用意し、子育て世代や高齢者も安心して参加できる環境を整えていく予定です。
3. 特定非営利活動法人青少年自立支援施設淡路プラッツ
この団体は、ひきこもりの若者とその家族をつなぐため、社会資源の拡充を図ります。居場所のリフォームや相談事業の強化、人材育成を行い、地域のハブとしての役割を果たすことを目指します。
4. NPO法人モモの木
ひとり親家庭やヤングケアラー家庭のために家事支援ヘルパー部門を立ち上げたいとしています。行政制度の狭間で困難を抱える家庭に寄り添い、専門的なスタッフによる支援を提供し、地域のハブ拠点として機能することを目指します。
5. 一般社団法人カンデ
スーパーの空きテナントを活用して、地域の交流拠点を整備します。カフェを運営しながら、地域に根差した事業を展開し、安全で安心な居場所を提供します。実行会議を設けて多様な主体が協働する仕組みを確立し、持続可能な活動基盤を築く予定です。
今後の展望
これらの団体が実施する事業は、南大阪地域において自走型自治モデルの構築を目指しています。それぞれの取り組みが地域に根ざし、子どもから高齢者まで、多様な世代が共に支え合う居場所を創出することで、社会的孤立を防ぎ、地域の活性化に繋がることでしょう。公益財団法人泉北のまちと暮らしを考える財団は、地域課題を解決するためのさらなる貢献へと進んでいきます。