ダイダン株式会社が進める「ウェルネス現場事務所」
2021年から試験的に導入されてきた「ウェルネス現場事務所」。ダイダン株式会社(本社:大阪市西区)が全社的に普及させる取り組みが注目を集めています。これは、従業員のエンゲージメントを高めることを目的としており、特に建設業界においてはこの必要性が一層高まっています。
企業の持続可能な発展に向けた取り組み
「ワーク・エンゲージメント」とは、社員が会社に愛情を持ち、自発的かつ熱心に働ける状態を指します。建設業界では、労働者の不足や業務の多様化が課題となっており、従業員が最大限の力を発揮し、円滑にコミュニケーションがとれる環境を整えることが重要です。
このような背景の中、ダイダンはただ「機能的」で「収納が多い」現場事務所を追求するだけでなく、心地よい職場環境の実現を目指しています。「ウェルネス現場事務所」では、従来の機能性に加え、従業員が快適に働けるような様々な要素が取り入れられています。
心理的ストレスを軽減するデザイン
この取り組みの一つとして、バイオフィリックデザイン(自然とのつながりを意識したデザイン)が採用されています。これは、社員が自然と触れ合うことで心理的なストレスを軽減することを目的としています。また、調光調色機能を持つ照明や、アロマディフューザーによるリラックス効果も導入されています。これらの工夫によって、快適さと業務効率の向上が図られています。
特に、コミュニケーションを促進する多用途スペースの設置は、従業員同士の交流を活性化させる重要な要素です。
「ウェルネス現場事務所」の普及状況
ダイダンでは、2024年度上半期の段階で、元請けの大規模現場の約50%に「ウェルネス現場事務所」が実装される見込みです。この導入に対する従業員の反応も良好で、アンケート結果では80%が「満足」と回答しています。「職場の雰囲気が柔らかくなり、コミュニケーションが取りやすくなった」といった声も多数寄せられています。
加えて、この取り組みはダイダン社内だけでなく、協力企業や来訪したお客様からも好評を得ており、企業の壁を超えた「ウェルネス」と「ワーク・エンゲージメント」の重要性が認識されています。
効率的な建設工事のモデルとして
ダイダンは、国土交通省が実施する「働き方改革の促進事業」のモデル事業にも選ばれました。これにより、建設現場の業務効率化に取り組んでいます。心理面に寄与する要素の導入を進め、社員のエンゲージメント向上を目指しており、業界全体の活性化にも貢献していく予定です。
「ウェルネス現場事務所」は、ただの働く場所ではなく、すべての従業員が心地よく生き生きと働ける環境を提供することを目指す試みです。このような取り組みが、今後の建設業界の未来を切り開くきっかけになることでしょう。