コロナ後遺症と酸化ストレス
2025-10-28 02:16:18

コロナ後遺症の新たな診断指標としての酸化ストレスマーカーの有効性

コロナ後遺症の診断新指標:酸化ストレスマーカーの可能性



新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症は、患者の健康に深刻な影響を与えることが知られています。しかし、その具体的な病態や原因、さらには治療法については依然として多くの謎が残されています。このような中、岡山大学と山口大学による共同研究が、コロナ後遺症の診断や評価における新たな指標として「酸化ストレスマーカー」の有用性を示しました。

研究の背景と目的



コロナ後遺症にかかる人々は、自覚症状が多く、その評価は主観的になりがちです。そのため、客観的に診断できる指標の必要性が高まっています。この研究では、酸化ストレスの状態を知るための血液中のマーカーに着目しました。研究チームは、岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来を受診した77人の患者(中央値44歳)を対象に、酸化ストレスの強度を示す「d-ROM」、抗酸化能力を示す「BAP」、そのバランスを示す「OSI」の3つの指標を測定しました。

研究結果



その結果、コロナ後遺症を経験した患者は、一般的な健康状態の人と比較して、酸化ストレスの指標が高く、抗酸化力が低下していることが分かりました。この観察は、特に後遺症の一つである「ブレインフォグ」、つまり思考力や集中力の低下が見られる患者において顕著でした。女性患者では、男性患者に比べて酸化ストレスの傾向が強く、年齢や体重、いくつかの炎症マーカーとも関連があることが指摘されました。

結論と今後の展望



研究者たちは、この酸化ストレスマーカーがコロナ後遺症の客観的な診断や治療の指標として利用できる可能性を示唆しています。大塚文男教授は、「症状が見えにくいコロナ後遺症の評価にとって、このマーカーの測定が有意義であることが期待されます」と述べました。

今後、本研究の成果が臨床現場でどのように活用されるのか、大いに注目が集まります。これにより、コロナ後遺症に苦しむ患者に対する新たな治療法の開発が進むことが期待されます。詳しい研究結果は、国際学術雑誌『Antioxidants』に掲載されています。


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