介護業界の生産性向上ノウハウを他業界へ展開するTRAPEの取り組み

介護業界における生産性の向上を目指し、株式会社TRAPEが展開する伴走支援サービス「Sociwell（ソシウェル）」が注目を浴びています。TRAPEは大阪を拠点に、介護分野での生産性向上に関するガイドラインの策定や、各種施策の推進を行ってきました。2017年から国の施策に中心的な役割として関与し、「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」という三つの目標を同時に実現することを目指しています。

山形市との連携とモデル事業所支援

TRAPEは山形市との包括連携協定に基づき、「介護の職場」における魅力と活力を引き出すプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトは地方創生の取り組みの一環として、介護現場における生産性向上を図る試みであり、そのノウハウを他業界にも展開していく実績が期待されています。特に障がい福祉サービス事業所を対象にした伴走支援が行われ、たくさんの成果が生まれました。

TRAPEの取り組み内容

TRAPEは、山形市内の企業や法人向けに生産性向上セミナーを開催し、モデル事業所の選定支援を行っています。セミナーによって参加者は生産性向上の意義を理解し、実践的方法を学ぶことができます。この支援を通じて、TRAPEは、モデル事業所の職員との日常的な対話を重視しており、プロジェクトリーダーが孤立せず、改善活動を推進できる環境を整備しています。

業務効率化と職員の働きがい向上

令和4・5年度にわたり、4カ所の介護事業所に伴走支援を行った結果、様々な業務改善効果を上げることができました。具体的には、業務の優先順位や判断基準が職員ごとに異なり、業務が非効率になっているという課題に取り組みました。休憩時間の確保、リーダー業務の基準作り、支援内容の統一化などをテーマにした取り組みの結果、職員の働きがいが向上し、利用者への支援の質も改善されました。

モデル事業所での成功体験

職員の意欲や主体性の向上に寄与した具体的な取り組みとして、看護師の休憩時間がしっかり取れるようになったり、職員間の情報共有が活性化したことが挙げられます。これにより、職員が自発的に動く場面が増え、利用者と良好な関係を築くことが可能となりました。

模型事業所の職員や経営者たちからは、取り組みの成果として「基準を設けたことが大きな成功につながった」とコメントが寄せられています。派遣されたリーダーによって、職員が安心して自信を持って業務に取り組む様子が見受けられました。