岡山大学が発表した口腔細菌とGVHDの新発見に注目！

口の中から命を守る！岡山大学の新たな発見

2025年1月23日、岡山大学は移植後の慢性移植片対宿主病（慢性GVHD）の軽減に寄与する新しい治療法の可能性について発表しました。この研究は、同大学医学部血液・腫瘍・呼吸器内科の神原由依客員研究員と藤原英晃講師が中心となり、口腔内の細菌叢が慢性GVHDの発症に大きな影響を与えることを解明しています。

口腔内細菌の影響

これまでの研究では、移植後の患者において、口腔内の細菌のバランスが崩れることが、慢性GVHDの症状悪化につながることが示唆されていました。今回の研究では、ヒトの臨床データや口腔サンプル、さらにマウス実験を介して、この仮説がより具体的に証明されました。細菌叢の乱れや特定の病原細菌の増殖が、いかにして慢性GVHDを引き起こすか、そのメカニズムが明らかになっています。

新しい治療法の可能性

研究の結果、口腔内の細菌コントロールが慢性GVHDの予防や治療に役立つ可能性があることが分かりました。具体的には、抗生剤軟膏や適切な口腔ケアを取り入れることで、治療負担を減らす新たなアプローチが期待されています。これは、患者が過度の免疫抑制剤に依存することなく、より安全な治療を受けられる道を開くものです。

研究の意義と今後の展望

この研究は、米国の血液学専門誌「Blood」にも発表されており、学術界での評価も高まっています。神原研究員は、「患者さんに還元できる研究を目指してきた」と話し、藤原講師は、本研究が慢性GVHDに苦しむ患者を減少させる手助けになればと語っています。

今後、これらの研究成果が臨床現場でどのように活用されるか、期待が高まります。口腔ケアの重要性を再認識し、さらなる進展がなされることを願っています。