ストレスとアトピーの関係
2024-12-23 20:40:25

精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を引き起こすメカニズムを解明

ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化させるメカニズムの解明



岡山大学と順天堂大学の研究チームが、精神的ストレスがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる仕組みを明らかにしました。この研究は、ストレスによって免疫細胞がどう変化するのか、そしてそれが皮膚アレルギーにどのように影響するのかを解明したものです。

研究の背景


精神的ストレスは、古くからアレルギーのリスク要因とされてきました。しかし、その背後にあるメカニズムは長い間曖昧でした。この研究チームは、特に交感神経と抗炎症性マクロファージに注目し、ストレスがどのようにそれらに影響を及ぼすのかを調査しました。

主な研究成果


研究により、交感神経から放出されるストレスホルモンが、抗炎症性マクロファージのβ2アドレナリン受容体に作用することで、これらの免疫細胞の機能が低下し、結果的に皮膚アレルギーの症状が悪化することが判明しました。具体的には、ストレスホルモンがマクロファージの正常な働きを妨げ、抗炎症機能が衰えてしまうのです。この結果、皮膚における炎症が増大し、アトピー性皮膚炎の悪化を招くことに繋がります。

今後の展望


この研究は、ストレスによる皮膚アレルギー炎症の新たな治療法の開発への期待を高めるものです。従来、ストレスによるアトピー性皮膚炎は治療が難しいとされてきましたが、今回の発見により、ターゲットを絞った治療法が実現する可能性が開かれました。

研究者の見解


研究を主導した吉川准教授は、現代のストレス社会においては、仕事や人間関係、生活環境からくるストレスが心身に多大な影響を与えていることを指摘しています。彼は、「ストレスは私たちの免疫細胞の性質を変えてしまう可能性があり、これが病気の発症や症状の悪化につながる」と述べ、ストレスをため込まない生活の重要性を強調しました。

研究の詳細


本研究の成果は、2024年11月18日に『Journal of Allergy and Clinical Immunology』に発表されました。研究チームは、岡山大学と順天堂大学の他にも東京科学大学、長崎大学、鳥取大学と連携して調査を行いました。今後、このメカニズムの解明を基にした新しい治療薬が期待されています。

結論


今回の研究は、精神的ストレスがアトピー性皮膚炎に及ぼす影響を新たに示すものであり、ストレス管理の重要性を改めて考えさせられる結果となりました。心身の健康を維持するためにも、適切なストレスケアを取り入れることが求められます。

詳しい研究内容や原著論文に関する情報は、岡山大学の公式リリースを参照してください。


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