琉球舞踊の息吹と心を届ける特別公演
2025年6月、ニューヨークの名門カーネギーホールで成功を収めた琉球舞踊家「赤嶺姉妹」が、今度は東京・増上寺で特別公演を行います。この公演は、400年の歴史を持つ琉球の舞を通じ、今もなお resonance(響き)を持つ「祈りの心」をお届けします。
増上寺での特別公演「志舞 – shimai – 」
2025年11月23日、東京・港区の増上寺大殿にて開催される公演「志舞 – shimai – 400年を紡ぐ舞〜増上寺に響く琉球の祈り〜」は、琉球舞踊の伝統を守り続ける赤嶺姉妹が一度成功させた舞台のその続きとも言える特別な内容です。彼女たちの踊りは、ただの美しさだけではなく、小さな島国を守り平和を築くための文化の力そのものです。
歴史を振り返る
琉球舞踊の起源は、かつて琉球国と呼ばれていた沖縄の地にさかのぼります。琉球舞踊は、首里城において発展し、ただの芸能ではなく、国の重要な政(まつりごと)としての役割を担っていました。1574年、琉球国は侵攻を受け、薩摩藩と中国という二つの勢力の間で独自の外交を模索する中、文化の発信地としての役割も果たしてきたのです。
特に、江戸時代には「琉球使節」が江戸に下り、幕府の将軍と直接会見して琉球の文化を紹介していました。その中で披露された舞踊は、江戸の人々に驚きと感動をもたらしました。400年の歳月を経て、この使節ゆかりの地、増上寺にて再び琉球舞踊が披露されることは、非常に意義深いことです。
増上寺の舞台での新たな章
赤嶺姉妹が選んだ増上寺は、往来した使節たちの文化交流が生んだ場所でもあり、また東京大空襲によって被害を受けた歴史を持つ場所でもあります。この特別公演では、過去の歴史を掘り下げたり語り継ぐためではなく、私たちが未来に向けて何を残すべきかを考え、琉球舞踊の静けさやその所作に込められた祈りを通じて、未来の世代に伝えていく力があります。
祈りの舞と文化の連なる糸
首里城は琉球舞踊の源流であり、その心を象徴する場所でした。しかし、2019年の火災により失われたものは建物だけでなく、多くの人にとって心の拠り所であったことを思い出させます。今回の増上寺特別公演では、首里城再建への願いと、文化を未来へ繋ぐための決意を込めて、赤嶺姉妹が舞台に立ちます。沖縄の伝統は、激動の時代を乗り越え、今の私たちにも引き継がれています。
私たちが文化の再生を語る時、そこには過去を学び、今を生き、未来に手渡すという循環があります。赤嶺姉妹の舞を通し、沖縄からの想いを込め、世界の人々とつながる瞬間を楽しみに待ちましょう。
赤嶺姉妹(Akamine Sisters)について
沖縄出身の姉妹舞踊家、奈津子と真希は、幼少期から琉球舞踊に親しみ、その才能を磨いてきました。多くの公演で受賞歴もあり、現在さらなる活躍を続けています。彼女たちの舞は、琉球文化の真髄を感じさせ、その美しさと力を伝えてくれます。2019年には沖縄タイムス芸術選賞を受賞した実力派の彼女たちが、ぜひ生で見てほしい舞台を提供します。
公演情報
- - 日時: 2025年11月23日(日・祝)開場 17:30/開演 18:00
- - 会場: 増上寺 大殿(東京都港区芝公園4-7-35)
- - 出演: 赤嶺姉妹、ゲストの二胡奏者 賈鵬芳(ジャー・パンファン)
- - チケット: S席 12,000円、A席 8,000円
その歴史的な舞台で、琉球舞踊の体験と感動を一緒に共有したいと思います。是非この貴重な機会をお見逃しなく!