はじめに
近年、企業環境が厳しさを増す中で、多くの管理職がその負担をどうにかやりきることに悩んでいます。しかし、ALL DIFFERENT株式会社の調査によると、管理職が得ている「やりがい」や「魅力」は意外にもポジティブなものであることが判明しました。本記事では、その調査結果を基に、管理職としてのやりがいや感じているメリットについて詳しく見ていきます。
管理職になって良かったことトップ3
調査によると、管理職が「なって良かった」と感じていることのトップは、以下の通りです。
1.
意思決定に関与できるようになった - 51.5%
2.
仕事の裁量が増えた - 48.2%
3.
収入が増えた - 46.8%
この結果を見ると、報酬面のメリットよりも、自己の職務に対する関与や裁量が増えることが、管理職にとって非常に嬉しいポイントとなっていることがわかります。特に、過半数を超える51.5%の管理職が「意思決定に関与できるようになった」という点を挙げているのは注目に値します。
男女による違い
男女別に見ると、管理職が感じた良かったことには明らかな差がありました。男性は意思決定の関与や裁量の増加を重視する一方、女性は収入の増加を最も評価している傾向が強いことが分かりました。具体的には、男性が最も高い割合で挙げた項目は「意思決定に関与できる」となり、女性は「収入が増えた」がトップとなりました。
このような違いは、管理職としての役割や期待するものが性別によって異なることを示しています。特に、女性管理職が新しい挑戦の機会を得ることをより高く評価している点も印象的です。女性の意見の方が冒険心を感じさせる結果となっています。
ステージ別の見解
管理職の経験年数によっても、感じ方は異なるようです。新任管理職(1〜3年目)は、収入の増加がトップであり、ベテラン管理職や幹部候補ほど意思決定への関与を重視していないことが見て取れます。
特に幹部候補は60.2%が「意思決定に関与出来た」と答えており、経験年数がブレインとしての役割や影響を強く感じさせる要因となっているようです。
新任管理職はスタート時の給与が最もやりがいを感じられる要素ですが、幹部候補になるにつれ、管理業務の内容に魅力を見出していることが浮かび上がります。
業務内容による差異
業務内容に基づく分け方も興味深い点です。
プレーヤー業務寄りの管理職は「収入が増えた」が最多ですが、マネジメント業務寄りの管理職は圧倒的に「仕事の裁量が増えた」と回答しています。具体的には、マネジメント業務寄りの管理職は、裁量が63.8%と高い数字を示し、自己決定権や影響力の高まりが特にやりがいに繋がっていることが伺えます。
このように、業務内容による違いを考えられると、管理職が感じるやりがいは、報酬面以上に、裁量の拡大や責任感がそれに寄与していることが理解できます。
まとめ
総じて、管理職のやりがいは多面的であり、なって良かったと感じる理由の1位から3位までが意思決定への関与、裁量の拡大、そして収入の増加に関わるものであることが明らかになりました。特に、男女別や経験年数、業務内容によって、やりがいを感じる要素が異なることが浮き彫りになり、企業はこの点に着目して、管理職の成長をサポートしていく必要があるでしょう。
管理職としての役割はますます重要になってきますが、実際は多様なやりがいを見出すことができ、さらなる支援が期待されています。