インフラを守る技術
2025-08-15 09:35:37

豊中市発、目に見えないインフラを守るIoT検査デバイスの登場

インフラを数値で守る新技術



株式会社コクリエ(豊中市)が開発を進める、インフラ構造物の劣化を遠隔から正確に把握できるIoT検査技術が話題を呼んでいます。この技術は、非破壊検査専門の雑誌『検査技術』に掲載され、その注目度をさらに高めています。これまでの目視点検に頼らず、橋梁や擁壁などのコンクリート構造物に特化したデバイスを使い、ひずみや温湿度といったデータを定期的に計測・送信することができます。

背景と目的



日本全国で老朽化が進む社会インフラ。これに伴って維持管理を担う地方自治体には、専門人材や予算不足といった深刻な課題が存在します。この現状を踏まえ、株式会社コクリエは「子ども達の未来へ繋ぐ明るい社会インフラを創る」という理念の下、地域や企業、研究機関と手を組みながら、インフラの持続可能な維持管理の技術を開発しています。これにより、より効率的な点検手法の確立を目指しています。

技術の特長



新たに開発されたIoT検査デバイスは、自律型でありながら高機能です。その特徴は、以下の通りです。

  • - マイコン基板:Arduino Nanoをベースにした高い柔軟性。
  • - センサー群:ひずみセンサ×4、温湿度センサ、RTC(リアルタイムクロック)DS3231を搭載し、正確なデータ計測を実現。
  • - 通信:Sigfox対応の超省電力モジュールにより、データをSORACOMクラウドに無線で送信。

このデバイスは、計測周期が2時間おきに設定されており、測定内容は各ひずみセンサの中央値、温度、湿度です。デバイスはバッテリー駆動で、長期間の稼働が可能です。また、構造物に後付けすることができ、非破壊設置が実現されています。

利用ケース



『検査技術』誌では橋台傾斜モニタリングや鉄道橋の疲労亀裂モニタリングの事例が紹介されています。これにより、以下のような活用シーンが期待されています。

  • - 橋梁や擁壁、法面などの土木構造物の劣化状況を定期的にモニタリングし、早期に異常を発見する。
  • - 公共インフラの計画的点検を補完する手段としての利用。
  • - 異常変位やひび割れの早期発見による事故リスクの低減。
  • - 災害後の迅速な評価に役立つ技術の導入。

今後の展望



株式会社コクリエでは、2025年4月からこのIoTデバイスの販売・レンタル事業「メタルせんせい」を開始する予定です。利用のニーズは多岐にわたるため、現場で得た知見をもとに技術をブラッシュアップし、より多くのインフラ維持管理手法に活用されることを目指しています。

会社概要



株式会社コクリエは、地域社会や企業、行政、研究機関との連携を大切にし、共創による社会課題解決に取り組むスタートアップです。ICTやIoTの力を駆使して、持続可能な地方インフラの維持管理モデルの確立を目指しています。

お問い合わせ





画像1

画像2

画像3

関連リンク

サードペディア百科事典: コクリエ IoT検査 インフラ維持

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。