大阪歴史博物館で展示される魅力的な内容
大阪歴史博物館では、令和7年11月5日から令和8年1月12日までの期間に、特集展示「デザインの玉手箱・鐔」が開催されます。この展示では、刀剣の外装を飾る「鐔」に焦点を当て、未公開作品を含む約40点の刀装具が公開されます。鐔は、刀装具の中でも特に目を引く存在であり、その美しいデザインには多くの趣向が凝らされています。
展示の中でも特に注目すべきは、関西最大級の刀装具コレクターである勝矢俊一氏の旧蔵コレクションです。彼は1825点の刀装具を集め、その中には透鐔も多く含まれています。今回の展示では、勝矢コレクションから選ばれた鉄の透鐔がテーマとして選ばれ、さまざまなデザインが照らし出されています。
鐔の魅力に迫る
展示される作品はどれも直径10センチにも満たない小さなものですが、そこに込められた美しさと工芸の技術には驚かされます。例えば、馬透鐔はすべて馬を透彫した作品群であり、それぞれの馬の表情や形は微妙に異なっており、その違いを観察することで新しい発見があります。
次に紹介される竹生島図透鐔は、波に遊ぶウサギが描かれており、江戸時代の教養人が楽しむことのできる意匠が施されています。この作品は、謡曲「竹生島」をイメージしたものであり、動きのある姿が見事に表現されています。
また、山水図鐔も注目に値します。この作品は、江戸時代後期の画家・染谷知信によるもので、墨絵の特徴を生かした美しい山水風景が描かれています。凹凸のある金属表面が、筆致の違いを引き立て、さらなる表情を加えています。
展示詳細
この特集展示は、大阪歴史博物館の8階特集展示室にて行われ、入館料は常設展示に含まれており、大人600円、高校生・大学生400円で参加可能です。中学生以下や大阪市在住の65歳以上の方は無料で入場できる特典もあります。展示終了の1月12日までの間、この貴重な機会をお見逃しなく。
さらに、展示解説も行われる予定です。解説は、展示期間中の1月10日(土)午後2時から、学芸員内藤直子が担当します。参加費は無料ですが、常設展示の観覧券が必要ですので、訪れる際はお忘れなく。
この冬、刀装具の美しさとその背後にある物語を堪能してみてはいかがでしょうか。大阪歴史博物館でのみ味わえる素晴らしい体験が待っています。興味がある方は、直接会場に足を運んでみてください。