新型ドリルの登場:エポックマイクロステップボーラーHエボリューション
株式会社MOLDINOが発表した新しい高硬度鋼用の微細深穴加工ドリル、エポックマイクロステップボーラーHエボリューション(EMSBHE-ATH)が2025年5月20日に発売されます。この製品は、特に高硬度鋼の小径深穴加工をターゲットにした設計がなされており、その特長とメリットが注目されています。
開発の背景
金型製造において、コスト削減は常に求められるテーマです。特に高硬度鋼の加工では、熱処理後の鋼材を使用することが一般的で、細穴放電による加工が多くの現場で行われています。しかし、細穴放電では二次放電による品質の低下や、電極の寿命が短いことが悩みの種でした。これに対する解決策として、MOLDINOは新たに「直彫り」という手法を採用し、その中でも小径深穴の加工を実現するドリルの設計を進めることとなりました。
これにより、加工品質の向上と省人化が実現され、多くのユーザーから好評を得ています。しかし、60HRCクラスの鋼材においてはさらに安定性が求められ、また金型の各ピン穴加工を対応するためのサイズバリエーションの拡大が求められていました。そのため、MOLDINOはこのたび新しい製品「エポックマイクロステップボーラーHエボリューション」を発表する運びとなりました。
商品の特長
高精度微細深穴加工
エポックマイクロステップボーラーHエボリューションは、マイクロステップ加工専用に設計されているため、高精度な微細深穴加工が可能です。特にL/D=30の小径深穴を加工する能力を持ち、これまでの加工方法では難しかった高硬度鋼でも容易に対応できます。
改善された加工品質
この製品は独自の切りくず排出機構を持ち、刃形にも工夫が施されています。これにより、バリの発生を抑制し、穴精度や加工面の仕上がりを大幅に改善することが可能となっています。結果的に、金型の各種ピン穴加工が切削加工として実現できるため、省人化・無人化が進む期待があります。
安定性の向上
表面処理の最適化により、60HRCクラスの高硬度鋼の加工時においても安定性が大幅に向上しています。これにより、従来の技術と比べて高品質な加工が実現されます。
ラインナップの拡大
さらに、工具径のラインナップも大幅に拡充されており、Φ0.1mmからΦ2mmまでの124アイテムが用意されています。これによって、ワイヤー放電やリーマと組み合わせて後工程の取り代を調整することも可能です。
推奨加工用途
この新型ドリルは、特に金型の各種ピン穴加工に最適です。高硬度鋼の小径深穴を高精度で加工する能力を持ち、金型製造の現場において非常に頼りにされるツールとなるでしょう。
価格と発売日
発売日は2025年5月20日で、価格は税別で¥6,270から¥11,280となっています。新しいエポックマイクロステップボーラーHエボリューションは、これまで以上に金型製造のコスト削減と品質向上に寄与することでしょう。
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