岡山大学のヘリウムリサイクル
2025-11-05 23:22:24

岡山大学が進めるヘリウムリサイクルプロジェクトが新たな第一歩を踏み出しました

岡山大学と愛媛大学の新たな挑戦



国立大学法人岡山大学と愛媛大学が協力し、使用済みの核磁気共鳴装置(NMR)からヘリウムガスを回収するという新しいプロジェクトが始まりました。この取り組みは、2025年に「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」(通称:中四国・播磨HeReNet)を設立するための第一歩となります。

プロジェクトの背景



近年、液体ヘリウムの供給は世界的な需給バランスの変化により不安定になっており、日本の研究機関でもその影響が懸念されています。この状況下、岡山大学はヘリウムのリサイクルプロジェクトを立ち上げ、地域の学術機関と連携して安定供給体制を確立しようとしています。

プロジェクトは、まず愛媛大学城北キャンパスで2025年に実施された二回の回収作業を中心に進められました。使用済みNMRからヘリウムガスを回収するために、特別に設計されたガスバッグと接続ホースが使用されました。

実施の詳細



9月9日、岡山大学の技術者チームが愛媛大学に赴き、回収装置の準備を整えました。ガスバッグを6個用意し、2週間にわたってガスを収集しました。9月30日には、岡山大学の技術職員らを再度愛媛大学に派遣し、ガソリン式圧縮機を利用してガスバッグに溜まったヘリウムをボンベに圧縮する作業を行いました。約6.2㎥のヘリウムを効率的に回収することに成功しました。

今後の展望



この回収プロジェクトは、「中四国・播磨HeReNet」における重要な一歩となり、今後地域の他の大学や研究機関とも協力してヘリウムガスの回収体制を強化していく方針です。岡山大学の那須保友学長は「地域の持続可能な発展に貢献し、研究力の向上に寄与することが重要だ」とコメントしています。

ヘリウムリサイクルの意義



液体ヘリウムはMRIやNMRといった先端医療・研究機器にとって不可欠な冷却材ですが、日本ではほとんどを輸入に依存しています。従って、国内でヘリウムを再利用しようという取り組みは、経済的・環境的にも意義深いものです。今回の事業では、使い捨てられていたヘリウムが有効活用されることにより、資源の循環型利用が促進されます。

このプロジェクトを通じて、岡山大学は地域との連携を深め、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。今後も、地域の大学・研究機関との密接な連携を行いながら、ヘリウムリサイクルの新たなモデルケースを確立していくことでしょう。


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