岡山大学とタイのスラナリー工科大学が締結した新たな国際協定
2025年9月24日、岡山大学とタイのスラナリー工科大学(SUT)は、「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究を強化するための国際交流協定を結びました。この協定によって、二つの大学は共同でがん治療の研究を進め、より効果的な治療法の開発に寄与することを目指しています。
協定の背景
岡山大学は、異分野融合教育研究機構内に中性子医療研究センターを設立し、先進的ながん治療法であるBNCTの研究に取り組んでいます。BNCTは、特定の薬剤を用いて、がん細胞を集中的に攻撃する治療法で、従来の放射線治療と比べて副作用が少ないとされています。協定締結は、岡山大学の持つ技術と、スラナリー工科大学のリソースを組み合わせることで、新たな治療法の開発を加速するものです。
調印式の様子
調印式は、スラナリー工科大学のキャンパスで行われ、同大学のポーンシリ・ジョンコル学長代理をはじめとする幹部が出席しました。岡山大学からは、中性子医療研究センターの成瀬恵治教授や井川和代特任准教授が参加し、両大学の研究協力の重要性を確認しました。
式では、双方の強みを生かした共同研究を進める意欲が共有され、社会貢献を通じた研究成果の発展が期待されることを確認しました。この国際的な取り組みは、日本とタイにおける科学技術分野における新たな協力の一歩であり、地域社会の向上に繋がると考えられています。
研究センターの位置づけ
岡山大学中性子医療研究センターは2017年の設立以来、医療分野における新たなアプローチを探索しています。今回の協定が、BNCTのさらなる発展と新たな治療法の発見につながることが期待されています。
副学長の佐藤法仁氏は、「この協定は我々の進むべき道を広げるものであり、世界中の人々が期待する新発見や治療法の開発を加速する」とコメントしました。このような国際的な連携は、地域にとどまらず、世界的な課題に取り組む上でも重要な役割を果たすことでしょう。
今後の展望
岡山大学とスラナリー工科大学の協力により、がん治療法の革新が期待される中、研究者たちの情熱が新しい治療法の開発を促進することに期待が寄せられています。この協定が締結されたことによって、今後の研究がどのように進展し、臨床での応用がなされるのか、注目が集まります。地域の中核としての役割を促進し、社会に貢献する岡山大学の取り組みが評価されることを願っています。