営業資料の活用における現場と経営層の温度差の実態
営業活動において欠かせない要素、それは「伝わる提案資料」だ。近年、商材が複雑化し、意思決定のプロセスも多様化する中で、提案資料の重要性はますます高まってきている。しかし、ここで問題となるのが現場と経営層の間に存在する課題認識のギャップだ。特に、営業の成功を導くための施策において、現実とはかけ離れた支援策が行われているケースも見受けられる。株式会社PRIZMAは、営業担当者、営業責任者、経営層を対象に「営業資料の課題に関する調査」を実施し、その結果を公開した。
調査の背景と目的
調査の目的は、営業資料に関してどのような課題が存在するのか、また、その解決策は何かを明らかにすること。現在の営業活動において、どのような課題を感じているのかを把握し、それを踏まえた改善案を提示することが求められている。
現場の意識と経営層の認識の違い
調査の結果、営業活動での課題として最も多く挙げられたのは「新規顧客の開拓が難しい」という点で、これは営業担当者の50.6%、経営層の54.6%の共通した認識であった。しかし、その後の課題については、営業担当者の「顧客との信頼関係を築くのが難しい」という感覚(35.6%)が浮かび上がる一方で、経営層は主に市場環境や営業努力にその原因を求める傾向が強い。従って、このズレを理解した上で営業支援を設計することが必要不可欠だ。
伝えにくい現実とその要因
「大企業など意思決定者が多い相手への営業で、伝わりにくさを感じたことは?」という質問に対しても、営業担当者の56.9%が「ときどきある」と回答。意思決定者が複数いる商談では、提案内容を調整するために多くの労力が求められる。そのため、営業担当者はこの「伝達の難しさ」を強く実感している。
また、「商材の魅力や仕組みが伝わらない原因」についての調査でも、営業担当者の43.5%が「顧客に前提知識がなく理解が追いつかない」と答えるなど、営業資料そのものに課題があることも浮き彫りになった。資料の「属人性」や「構成」にも問題があり、営業担当者のスキルに依存しすぎているシステム自体が非効率であることが判明している。
改善策としての資料形式の見直し
調査の中で、営業資料の構成や表現について「ストーリー仕立て」や「漫画形式」の素材の評価が高まっていることも注目すべきポイントだ。営業担当者の85.4%が、こうした資料形式が「効果的だと思う」と答えたのに対し、経営層の中には懐疑的な声も見受けられた。
現場の営業担当者は、顧客との親密感を築くためにストーリー仕立てや漫画形式が効果的であると実感しているが、経営層は従来の価値観を重視するために新たなアプローチを受け入れにくい傾向がある。このように、非常に重要な営業資料の改善においても、両者の認識のズレが生じている。
まとめ
この調査により、営業成果に直結するのは「伝える力」であり、そのためには現場と経営層との認識をすり合わせ、共に改善策を模索することが求められている。営業資料は単なる情報の伝達手段ではなく、顧客体験を設計する重要な“提案装置”へと変わってきている。両者の意見を統一し、効果的な営業活動を推進するためには、まず話し合いからスタートすることが不可欠だ。営業資料の改革は、きっと現場と経営層の対話から生まれるはずだ。
公式サイトから詳細な調査結果やホワイトペーパーをダウンロード可能ですので、ぜひご確認ください。
▼【無料DL】営業資料の課題に関する調査
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