大阪芸術大学80周年の新緞帳「STAR」お披露目
2023年9月17日、大阪芸術大学芸術劇場にて、学校法人塚本学院の創立80周年を記念した新しい緞帳「STAR」のお披露目式が行われました。このイベントは、学生や関係者が集まり、劇場に新たに彩られた緞帳の姿を祝福しました。
村居正之教授の華麗な原画
今回の緞帳は、日本画家であり美術学科長の村居正之教授が描きおろした原画を基にしています。それは、彼が自身の作品群として追求している青の濃淡を用いた「青の墨絵」と呼ばれるスタイル。この原画は、巨大な緞帳として幅16.5メートル、高さ10.5メートルにわたって織り上げられました。新緞帳「STAR」は、星夜の下に浮かぶアクロポリスの風景を描いた作品です。
村居教授は、「STAR」というタイトルには、大阪芸術大学の劇場から多くのスターが羽ばたいていくことを願う想いが込められています。緞帳が照明に照らされると、重厚感あふれる遺跡と星々が、まるで生きているように舞台を彩ります。
伝統技術での新たな挑戦
今回の緞帳製作においては、京都の川島織物セルコンが協力し、伝統的な織技術で原画を忠実に再現しました。村居教授は「日本画を緞帳にすることに不安があったが、約300色の色糸を駆使して原画に近い色合いを実現してくれた」と、感謝の意を表しました。また、配色ではグラデーションを取り入れ、深みを持たせる工夫を施したとのことです。
感動の情景が広がる式典
お披露目式では、舞台芸術学科の学生たちがリズム&ブルースの楽曲「続く夏のブルース」を披露し、場の雰囲気を盛り上げました。その後、新緞帳の降下に伴い、会場からは大きな歓声が上がり、感動を共有しました。
塚本英邦副学長は、村居教授の功績を称え、「ここから皆さんがスターになることを願っている」と語り、山本健翔舞台芸術学科長も、古代ギリシャの円形劇場を引き合いに出し、観客に向けてエールを送りました。
限りない創造性の可能性
村居教授は「この緞帳によって学生たちが新たな舞台芸術の創造に向けて自由に表現できる場所となることを願っている」と語り、非常に感動的な瞬間を迎えました。年末には新作バレエ「ローザス」が奉納され、深紅の衣装を纏ったダンサーたちが新緞帳の前で舞い、劇場の新たなスタートを彩りました。
アートが結ぶ未来への願い
今回の新緞帳「STAR」は、村居教授が描いたアートと伝統的な織物技術が融合した、未来へと繋がる象徴的な作品となりました。お披露目式を通して、多くの人々に感動をもたらし、学生たちが次世代のスターとして羽ばたくことへの期待が寄せられています。
大阪芸術大学芸術劇場が新たなスタートを切ったこの瞬間は、アートが未来の可能性を描き出す場となるでしょう。