京阪電車がAIで駅接客を再設計
京阪電車が2024年から新たに導入する駅接客モデルは、カスタマーサポート向けに開発されたAIエージェント、カラクリによるものです。この取り組みは、訪日客への対応強化および非対面型の顧客サービスを目指しており、今後の鉄道サービスに革新をもたらします。
導入の背景
近年、コロナ禍の影響で公共交通機関に求められるサービスの質が変わりつつあります。京阪では、係員が不在の時間帯を踏まえた新たな顧客接点の模索が始まっており、多様化するニーズに応えるための準備が進められています。特に、駅での忘れ物対応などが増加し、オペレーターへの負担も増大。これを受け、AIを用いたFAQやチャットボットの導入が急務となっていました。
ハイブリッドAI戦略の採用
京阪は、質問内容の異なる2つのAIチャットボットをそれぞれ活用する先進的なハイブリッドAI戦略を採用しています。具体的には、機械学習型の「KARAKURI chatbot」と生成AI型の「Generative Navigator(Gen)」がそれぞれの役割を担います。
- - KARAKURI chatbotは、運行情報などの定型的な質問に対して迅速かつ正確に応答し、オペレーターの負担を軽減します。
- - 一方、Genは観光案内やイベント情報をさらに柔軟に提供し、多様な言語に対応しています。このようにして多言語サービスの強化を図り、訪日客に優れたサービスを提供します。
導入効果
この新しいAIエージェントを導入後、顧客満足度の向上に向けた取り組みが進行中です。例えば、電話放棄率が約50%減少。これによりオペレーターは、より複雑な問題解決に集中できる体制が整いました。また、多言語FAQの管理にかかる手間も大幅に削減されるなど、インバウンド需要を満たすための体制が強化されています。若年層が利用する新たな接点も生まれ、今後の展望が明るいものとなっています。
今後の計画
京阪電車は、今後もハイブリッドAIの活用を拡大する意向で、特に問い合わせが多く発生する部分において、自動化を進める計画です。具体的には、忘れ物対応のためのオンラインフォームを導入予定。さらに、多様な顧客のニーズに応じた機能拡張を進め、業務効率化の追求を目指します。
最後に
この新たな試みは、サービスの質を向上させるための重要な一歩であり、京阪電車とカラクリの協力により、未来の公共交通機関の在り方を示唆しています。顧客が快適に利用できる環境作りが進められる中で、駅接客の進化が期待されます。