音楽で進化する都市の未来
音楽の力を借りて、都市をより良い場所に変えていくことができるという考えは、近年ますます注目を集めています。7月中旬に日本語版が刊行される『ミュージックシティで暮らそう:音楽エコシステムと新たな都市政策』は、そのような視点から音楽を新たに捉える一冊です。著者シェイン・シャピロは、世界中で音楽の持つ力を都市の政策に活用する提案を行ってきた専門家です。
書籍の概要
本書は、音楽が都市発展の核となるためのエコシステムを描いたものです。シェイン・シャピロは、自らが創設したコンサルタント集団「Sound Diplomacy」を通じて、ロンドン、アデレード、シドニーなど様々な都市での成功事例を元に、音楽を取り入れた都市戦略を解説しています。書中ではパンデミック以降の状況も考慮しながら、音楽と公共政策の新しい関係を具体的に示しています。
音楽エコシステムの必要性
彼が提示する「音楽エコシステム」は、ただ音楽を楽しむだけでなく、地域の経済や文化との繋がりを強化し、持続可能な社会を実現するためのものであるとされています。出演者、観客、地域住民、さらには自治体職員やデベロッパーまで、音楽の価値を再評価することで、より豊かなコミュニティの形成につながるという志向が見られます。
シェイン・シャピロの来日
本書の発売にあたり、シェイン・シャピロ自身が来日し、東京、福岡、川崎、京都でブックツアーを行う予定です。音楽と都市計画について意見を交換できる貴重な機会ですから、興味がある方はぜひ参加することをお勧めします。彼のトークセッションでは、音楽のエコシステムがどのように都市を活性化するのか、実際の施策や事例に基づいて解説されます。
働きかけの姿勢
この本には、地域づくりに関わるすべての人に必要な知識が詰まっています。シェインの提唱する音楽政策は単なる文化活動に留まらず、社会全体の幸福度や経済活性化に大きく寄与することが期待されています。音楽に対する投資がどのように地域に貢献するかを、新たな視点で掘り下げていきたい方のための必読の一冊です。
書籍詳細
- - 書名:『ミュージックシティで暮らそう:音楽エコシステムと新たな都市政策』
- - 著者:シェイン・シャピロ
- - 訳:エヴァンジェリノス紋子・若林恵
- - ISBN:978-4-910801-02-5
- - 定価:2800円(税別)
- - 発行:株式会社黒鳥社
この新書は自らの街を音楽で豊かにしたいと願うすべての人にとって、示唆に富んだ内容となっています。今後の都市開発や地域活性化に音楽を取り入れたい方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。