生き方で変わる生物
2025-10-12 23:32:27

岡山大学が明らかにした生物の生き急ぎと遅れの影響

岡山大学が明らかにした生物の生き急ぎと遅れの影響



国立大学法人岡山大学の学術研究院環境生命自然科学学域に所属する宮竹貴久教授と東京大学の松村健太郎助教が、特殊害虫ウリミバエ(Zeugodacus cucurbitae)を対象とした新たな研究成果を発表しました。この研究は、日本国内で絶滅したウリミバエに関するもので、昆虫の生態系や農業への影響を理解するための重要な発見が盛り込まれています。具体的には、生物の発育速度や繁殖開始のタイミングが、生物の分布域にどのように影響を与えるかを探求しました。

生物の発育と分布の関連性



生物の成長と分布を測るための指標として、これまで発育ゼロ点や有効積算温度が用いられてきました。これらの指標は、温度という環境要因によって大きく変わることが知られていますが、これらの指標がどのように進化的に変化するのかに関する研究はあまり進んでいませんでした。

宮竹教授たちは、ウリミバエを用い、発育速度や繁殖開始齢に対して選別を行いました。その結果、異なる集団間で発育ゼロ点および有効積算温度に有意な差が見られることが確認されました。このことは、同じ種内でも遺伝的差異が生じ、それが生物の進化に寄与することを示唆しています。

人為選択がもたらす進化的変化



研究チームは、選別されたウリミバエの系統から得たデータをもとに、様々な温度条件下で幼虫の発育と成虫になるまでの日数を計測しました。その結果、繁殖タイミングや発育速度も世代を重ねるごとに変化することが実証されました。これは、特定の環境下において人為選択が生物の進化に直接的な影響を与える可能性があることを示しています。

環境変化への対応



宮竹教授によれば、地球温暖化や国際的な生物移動は、これまでに日本には存在しなかった外来生物を引き寄せ、農業および生態系にさらなる影響を与えると述べています。このような外的要因に対抗するためには、地道なデータ収集とその分析が不可欠です。さらに、今回の研究はウリミバエを通じて、生物の進化がどのように環境変化に対して適応していくのかを明らかにする第一歩となりました。

最後に



本研究の結果は、2025年10月6日に国際昆虫学会誌に掲載され、多くの研究者や関係者に今後の展望を示しています。また、岡山大学はこの研究成果を通じて、さらなる生物学の探求におけるリーダーシップを発揮することが期待されています。

この新たな発見は、生物学はもちろんのこと、農業の未来にも大きな影響を及ぼす可能性があるため、今後の研究の進展が非常に楽しみです。


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