ローカル5Gの新たな時刻同期技術
日本各地で進化を続ける5G技術の中で、特に注目すべき動きがNHKテクノロジーズとソフトバンクの共同実証実験です。この研究は、5Gメッシュ網における時刻同期システムの構築を目指しており、5G SA (Stand Alone)方式を利用したSIB9 (System Information Block Type 9)に焦点を当てています。
5G技術の重要性
5G技術は、通信速度の向上や遅延の減少、さらに安定性の向上を助けていますが、その中でも特に時刻同期は重要な役割を果たします。多くのデバイスが連携し、情報をやり取りするためには、正確な時刻に基づいた通信が不可欠です。
今回の実証実験では、2つの異なる時刻源を持つシステムが構築されています。ひとつはGNSS(全球測位衛星システム)に基づくGMC(グランドマスタークロック)で、もうひとつはソフトバンクのパブリック5G SA SIB9に基づくGMCです。この冗長構成により、特にGNSS信号が届きにくい環境においても、信頼性の高い時刻同期が可能となります。
GNSSの限界
GNSS信号は、屋外では問題なく受信できることが多いですが、屋内や都市部の高層ビルによる影響で受信できないシーンも存在します。こうした環境でも安定した通信が行えることは非常に大切です。今回の実験では、SIB9の時刻同期を用いてその柔軟性と安定性が実証されました。
図からもわかるように、ローカル5G基地局はGNSSとパブリック5G SA SIB9のいずれかの信号を自動で選択し、スムーズに時刻同期を行います。このメカニズムは、実際の運用においても非常に重要な要素とされています。
インターブース2025での発表
この共同実証は、今後大規模なイベントにおいても紹介されます。2025年に開催予定のInter BEE(国際放送機器展)において、NHKテクノロジーズは「ローカル5Gの可能性」というテーマの下、展示を行います。新しい技術の発表はもちろん、実際にこのシステムがどのように構築され、運用されるのかを知ることができる貴重な機会となるでしょう。
イベント詳細
- - 会期:2025年11月19日(水) ~21日(金) 10:00~17:30(21日のみ17時終了)
- - 会場:幕張メッセ
- - 展示ブース:NHKテクノロジーズ「ローカル5Gの可能性」(ホール8 小間番号8501)
ぜひ、この機会に最新の5G技術を体感し、未来の通信の可能性を感じてみてください。時刻同期に関する技術が今後どのように進化し、私たちの生活にどのように影響を及ぼすのか、その目撃者になることができるでしょう。