関西大学、新設学科と定員増を発表
関西大学は、環境問題や国際的な人材育成に対応するため、新たに「グリーンエレクトロニクス工学科」を設置することが決定しました。この新設学科は、2026年4月に開設される予定です。また、外国語学部の入学定員も現行の165名から185名に増加します。この変更は2026年度入学生に適用されます。
グリーンエレクトロニクス工学科の設置背景
近年、カーボンニュートラルの実現が求められる中、省エネルギー型の半導体や環境に配慮した技術の開発が重要視されています。国内では、半導体産業の復興が求められており、専門的な人材の育成が急務とされています。関西大学はこれらの社会的なニーズに応えるべく、環境に優しいエレクトロニクス技術を学ぶための教育・研究を行うことを目指しています。
学科の特色とカリキュラム
この新設学科は、半導体の設計や製造、応用を、環境の観点から学ぶことができるカリキュラムを特色としています。具体的には、デバイス物性、装置や加工、計測・制御、アナログ・デジタル集積回路、数値計算の4つの分野を横断的に学習し、環境と調和したエレクトロニクスの知識を深めます。また、クリーンルームでの実験や、毎学期のプログラミング実習、企業との連携によるプロジェクトベースの学習(PBL)を通じて、実践的な能力も育成します。さらに、海外研修も取り入れ、国際的な視野を持つ人材の育成にも注力します。
グリーンエレクトロニクス工学科の長である肥川 宏臣氏は、半導体技術の向上が、情報処理アプリケーションの性能と低電力化に直結すると述べています。この学科では、半導体技術の基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。
外国語学部の定員増とカリキュラムの改革
一方、外国語学部では入学定員を20名増加し185名とすることで、より多様化した言語教育を充実させ、国際社会で活躍できる人材の育成をさらに推進します。この数値は、外国語の多様性やAI時代に対応するためのカリキュラム改革の一環として実施されるもので、多文化共生を促進します。
外国語学部長の今井 裕之氏は、カリキュラムの改革を通じて、学生がより多様な学びを実現する方法を模索しているとコメントしています。新しいカリキュラムでは、英語に加え、ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語、朝鮮語の二言語を学ぶ留学制度や、データサイエンス教育の強化、国際協力や地域協力に向けた実践教育も充実させる方針です。
まとめ
関西大学によるこのような教育体制の強化は、持続可能な未来の実現と国際的な人材育成に向けた大きな一歩です。新設されるグリーンエレクトロニクス工学科と外国語学部の定員増加は、次世代を支える重要な取り組みとして、多くの学生に新たな機会をもたらすことでしょう。関西大学が掲げる未来志向の教育に期待が高まります。