岡山大学とナガセヴィータが挑む地球温暖化対応の新研究講座
国立大学法人岡山大学が、ナガセヴィータ株式会社と共同で新たに開設した「糖質・植物生化学講座」が話題となっています。この共同研究講座は、2025年11月1日から始まり、糖質と植物の力を活用して地球温暖化時代の食糧問題に積極的に挑戦することを目的としています。
産学連携による新しいアプローチ
この講座の設置は、岡山大学の那須保友学長が2025年10月の記者発表でアナウンスしました。岡山大学とナガセヴィータ株式会社は、2020年に「SDGs産学パートナーシップに関する協定」を締結し、持続可能な開発目標の達成に向けた先駆的な活動を展開してきました。昨年度末に一旦協定は終了しましたが、それを機に今度は地球規模の課題である食糧危機の解決に乗り出すことになりました。
岡山大学とナガセヴィータは、これまでの長年にわたる協力関係と成果を基盤として新たな研究の道を切り開くことを目指しています。新設された「糖質・植物生化学講座」は、植物と微生物の相互作用に注目し、気候変動による食糧問題の持続可能な解決策を探求するための学際的な研究を行います。
講座の重点テーマ
本講座では、以下のような研究テーマに取り組む予定です。
- - 環境ストレス下での植物と微生物の相互作用の解明: どのように環境ストレスが植物の生産性に影響を与えるかを解明すること。
- - 糖質を活用した植物の成長促進: 植物の成長を促進し、ストレス耐性を向上させるための生体化合物に関する研究。
- - スクリーニング技術の開発: 植物に有用な生体化合物を効率的に評価する新しい技術の創出。
このような研究を通じて、岡山大学は産業界と連携しつつ、持続可能な植物資源の活用と安定した食糧供給に貢献し、人類のウェルビーイングと地球環境の調和を目指して活動を進めていく方針です。
講座の設立背景
この新講座は、文部科学省が推進する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に基づくものであり、岡山大学の「卓越性の飛躍から世界的課題を解決する新技術創出」に寄与するものです。また、岡山大学の2050年に向けた長期ビジョンとも密接に関連しており、地域と地球の未来を共創する研究機関としての役割を果たすことが期待されています。
研究代表者の紹介
研究代表者には、岡山大学大学院で博士号を取得したウーイ・リーア准教授が就任します。ウーイ・リーア准教授は、植物生理学、分子生物学、環境モニタリング、バイオセンサー技術など多岐にわたる分野での専門知識を生かし、産学連携による先端研究を推進していきます。
岡山大学の今後の展望
岡山大学は、地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たしつつ、持続可能な発展を目指す活動に引き続き注力していきます。この研究講座を通じて、多くの研究成果を上げ、食糧問題解決に寄与する成果を出していくことが期待されています。地域の方々も、今後の岡山大学の取り組みにご期待ください。「糖質・植物生化学講座」が実際にどのような革新をもたらすのか、その成果が楽しみです。