若手・中堅社員のリーダーシップ環境を見つめ直す
近年、若手・中堅社員のリーダーシップの重要性が高まっています。特に、役職に関係なく、周囲に働きかけて自ら行動を起こす姿勢が求められる中で、彼らがどのような環境でリーダーシップを発揮できるのかが注目を集めています。株式会社シェイクが実施した調査によると、若手・中堅社員の多くは日々の業務において「心の動き」を感じていると回答しており、これが行動に与える影響について考えるきっかけとなります。
調査の背景と目的
株式会社シェイクは、従業員300名以上の企業で、入社2年目から10年目の正社員を対象にリーダーシップに関する調査を行いました。調査の目的は、若手・中堅層が職場でリーダーシップを発揮するための環境や支援ニーズを探ることにあります。ここではその結果をもとに、リーダーシップを発揮するために必要な要因や企業が提供すべきサポートについて考察します。
若手・中堅層の心の動き
この調査に参加した約6割の若手・中堅社員が、日々の業務の中で好奇心や楽しさ、悔しさなどの「心の動き」を感じていると回答しました。特に、新しいスキルや知識の習得、試行錯誤の末の成功、チームとのコミュニケーションによって心の動きを強く感じることが伺えます。こうした感情の動きは、もちろん単なる感情にとどまらず、業務の質や取り組み姿勢にも直接的な影響を与えていることがわかりました。
若手・中堅社員の多くは、自らの行動を通じて業務を前進させる姿勢を見せており、具体的には新しい知識のインプットや他者のアイデアを参考にすることが挙げられています。それに対し、心の動きをあまり感じていない層は業務への工夫が乏しく、これは日々の仕事への関心や意欲が影響していると考えられます。
リーダーシップ発揮の機会
職場環境についての質問では、約過半数が「リーダーシップを発揮する機会がある」と回答しましたが、「ない」と感じている方も多く、リーダーシップを発揮できるかどうかは、職場の環境や文化に大きく依存しているとの結果が出ました。また、リーダーシップを発揮するための要因には、「自信のなさ」や「モチベーションの低下」、「やりたいことが見つからない」といった内的要因が多く挙げられることが明らかになっています。これは、組織の期待や環境整備が不十分である可能性を示唆しています。
リーダーシップを発揮するための支援
調査では、リーダーシップを発揮するために必要なサポートについても聞いたところ、スキル向上や個人の自信、業務へのアプローチが重要とされています。また、将来のキャリアに対してもリーダーシップ経験が貴重であると考えている若手・中堅層が多くて、約8割の人がこの経験が今後のキャリアに役立つと思っています。
しかし、明確なキャリア目標を持っている若手・中堅層は42.9%にとどまり、目標が不在であることが日々の主体的な行動やリーダーシップの発揮に影響を及ぼす可能性があります。こうした現状は、企業がキャリア支援のあり方を再考する必要があることを示しています。特に、自分の価値観に寄り添ったサポートが重要であり、「キャリアパスの明確化」や「定期的なキャリア面談」といった支援が求められるという声が多く上がっています。
まとめ
今回の調査結果から、若手・中堅社員が自らのリーダーシップを発揮するには、組織がどれだけ彼らの感情に寄り添い、サポートを提供できるかが鍵となることがわかりました。日々の業務で感じる心の動きが、行動を変えるともいわれており、実際に多くの若手・中堅社員がそのことを実感しています。最終的には、リーダーシップを発揮するための環境整備や、個々のキャリア目標支援が重要であり、企業にはそれに対する具体的なアプローチが求められます。若手・中堅層による新たなリーダーシップの展開は、業務の質を高め、今後の企業の成長につながることでしょう。