岡山大学が展開する新しい人事基本方針
国立大学法人岡山大学が2025年8月19日、定例記者発表において新たな人事基本方針を発表しました。この方針は、研究業績評価の透明性を高めることを目的とし、特に公募・昇任時に求められる指標の導入を宣言しています。
人事基本方針の概要
この新しい方針は、4月に公表された人事基本方針の延長線上に位置づけられ、文部科学省が推進する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に基づき、研究大学としての資質向上を目指しています。方針の中では、研究業績の評価基準として、定量的な指標と研究質の客観的評価を組み合わせることが明言されています。
岡山大学が求める研究業績とは何か、そして論文の数だけでなく質も重視する必要性が挙げられ、多様な研究分野の評価基準の検討が進められています。現行の評価指標は一長一短あり、単一の指標では研究業績を適切に評価できないため、複数の指標を組み合わせることが求められています。
客観的な評価体制の構築
岡山大学では、研究者の活動を現在の研究者としてのアクティビティに基づいて評価することが重要視されています。この新しい指標をもとに、個々の研究者が社会にどのように寄与しているのかを客観的に可視化し、大学の研究分野の強みを明確にしていく道筋が示されています。
さらに、来年12月までには各部局での評価指標の検討が進められ、2026年度からこれらの指標が本格運用される予定です。これにより、応募者は公募時に指標に基づいた基準を確認でき、よりキャリアを描きやすくなる期待があります。
現状の改善と未来への展望
現在の公募時においては、申請書の「研究業績欄」が主観的な記載に偏りがちです。この状況を改善するため、客観的な評価ができる指標の導入が急務とされており、最近の業績がしっかり評価される仕組みを整備することで、「結果を出し続ける者が報われる組織」を築いていくことが求められています。
岡山大学は、「研究大学」として研究を基盤にした教育・人材育成、最新医療への貢献、社会貢献、さらには社会変革を進めることを目指しています。学長の那須保友氏は、当たり前のことを当たり前に実施することの重要性を訴えつつ、研究大学としての岡山大学の存在意義と未来への構想を語っています。
地域への貢献と未来のビジョン
岡山大学は、この人事基本方針を通じて、地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たしていく姿勢を明確にしています。「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」が2050年のビジョンです。この新しい人事基本方針が、その道筋に大きく寄与することが期待されています。
このように、岡山大学は研究業績の評価改革を通じて、地域社会や国際社会に貢献する大学としての転換を目指しています。今後の取り組みに期待が高まります。