中堅社員のキャリア志向
2025-03-25 10:00:58

中堅社員のキャリア志向に関する調査結果から見える成長機会と課題

中堅社員のキャリア志向に関する調査



調査の背景


ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所は、日本の中堅社員を対象にキャリア志向に関する意識調査を実施しました。この調査では、社会人5年目以上で役職のない社員800人を対象に行い、キャリアに対する考え方や志向について深く掘り下げました。現代の職場環境は急速に変化し、求められる能力も多様化しています。特にキャリアの選択肢が広がる中、若手社員から中堅社員へと移行する際の考え方や感じる成長機会について具体的に明らかにすることが目的です。

調査結果の概要


調査の結果、ミドルキャリアの半数以上は「キャリア志向がない」または「未定」と回答しました。具体的には、"特にキャリアについての志向はない"とする回答が35.5%、"まだはっきりしておらず今後決めたい"が20.5%を占めました。ここから分かることは、キャリアに対する明確な意志を持たない層が多いという点です。

一方、成長実感を感じているミドルキャリアは明確な志向を持ちやすく、"マネジメント"や"スペシャリスト"を志向する人が高い割合を占めています。特に、成長実感の多かったグループの中では、スペシャリストを目指す割合が約6割。また、離職意向のある社員は、キャリア志向がないか未定の割合が約6割を超えることも明らかになりました。

年次別のキャリア志向


調査を年次別に見ると、社会人6年目・8年目の時期がキャリア志向のターニングポイントと考えられます。この時期、多くの社員がマネジメント志向やスペシャリスト志向を持つようになる一方、それ以降はその傾向が大幅に増えることはないという結果が得られました。逆に、キャリアが未定とする人の割合は年次が上がると共に徐々に増加する傾向にあります。

キャリア志向と成長実感の関係


調査の一環として、成長実感がキャリア志向に与える影響も調査されました。成長実感のある人々は、スペシャリストやマネジメントを目指す傾向が強く見られる一方、成長機会がないと回答した人々はキャリア志向を示さない割合が高いという結果が出ています。これは、キャリア志向を持つことと成長の実感が密接に関係していることを示すものです。

離職意向とキャリア志向


意義深い結果として、現状の会社に勤続する意向がある社員の方がマネジメント志向やスペシャリスト志向を持つ割合が高く、離職意向者はその割合が低いことがわかりました。この結果からも、コミュニケーションや成長機会が企業のエンゲージメントに与える影響があると言えます。

理想の職場文化の違い


最後に、キャリア別に理想とする職場の雰囲気や文化についても調査しました。マネジメント志向の社員は"チームワーク重視"を挙げる割合が高く、一方でスペシャリスト志向は"パフォーマンス重視"の文化を好む傾向にあります。また、キャリア未定人士は"多様な考え方や働き方を尊重する文化"を望む結果となりました。

まとめと今後の課題


調査結果からは、中堅社員がキャリアについて悩む時期であること、及び成長実感とキャリア志向が密接に関わっていることが明らかになりました。企業はその実情を理解し、個々の社員が抱える課題や不安に寄り添ったキャリア支援を行うことが求められます。具体的には、1on1での対話や、成長機会を提供する環境づくりが今後の課題となるでしょう。中堅社員が安心してキャリアを築けるような職場を目指して、制度の整備と文化の改革が必要です。


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