伝統を基盤にした新たな挑戦
株式会社タケダ造園(島根県出雲市、代表取締役:竹田和彦)の新たな挑戦が始まります。「出雲流庭園」という独自の庭園文化を基にした、組み立て式の日本庭園「楽庭-RAKUTEI-」を開発し、フランス・パリへの輸出に向けた取り組みを進めています。サステナブルな文化輸出として、日本の庭園文化を世界へ発信するという意義深いプロジェクトに向けた動きが期待されています。
島根県の挑戦
長年、訪日外国人観光客のインバウンド人気ランキングで最下位圏に位置していた島根県。多くの観光地が賑わう中で、地域の魅力がまだ知られていないという現状を打破するため、タケダ造園は庭園文化という新たな可能性に目を向けました。地域に密着した事業活動を続ける中で、タケダ造園は出雲流庭園の魅力を再発見し、日本の伝統文化を世界に届けるビジョンを持っています。
出雲流庭園は、特に2000件以上の民家で見られる共通の様式が特徴的で、日本全国でも珍しい文化的現象です。この独自のスタイルは、江戸時代の松江藩の大名茶人・松平不昧公の影響を受けており、家庭の庭から地域のアイデンティティが感じられます。タケダ造園は、この美意識をもとに、日本庭園の文化を世界へと発信することを目指しています。
ヨーロッパ市場へのニーズ
2025年にはタケダ自身がフランスに訪れ、現地の住宅関連、文化、美術関係者からのヒアリングを行います。これにより、日本庭園に対する需要を探り、具体的な導入先との議論も進めています。特に、茶道や華道と連携した文化イベントとしての役割が期待されており、現地からの強いニーズを感じています。「庭園は、安らぎを与える空間」として位置づけられ、日本文化の象徴とともに多くの人々に受け入れられることでしょう。
シンポジウムの意義
タケダ造園が主催するシンポジウムは、7月29日(火)に大阪南港で開催予定です。このシンポジウムを通じて、日本文化の海外発信の意義や可能性をより深く考える機会を提供します。さまざまな分野の専門家が集まり、「文化の見立て」やその価値を考察し、業界の先駆者たちが集うパネルディスカッションも行われます。
特に注目すべきは、「見立て」という日本独自の表現方法に焦点を当て、文化や建築、観光さらにはビジネスの視点から専門家たちが議論を交わすところです。単なる商業的輸出を超えて、文化の本質を伝えるためにはどのような方法があるのかを探求します。
結論と未来への展望
今回の挑戦は、出雲の文化をヨーロッパに広める第一歩であり、地方文化の新たな輸出モデルとして期待されています。将来的には、各地域の造園業者とも連携し、日本全国の庭園を世界中に届けるネットワークの構築へと発展させたいと考えています。このような取り組みが成功し、日本の庭園文化が国際的に評価されることを願っています。お申し込みは、タケダ造園の公式サイトにて受け付けています。興味のある方はぜひ、参加を検討してみてください。