大阪のTCIが新たに開発したATM通話検知センサーの全貌

東の玄関口、大阪市淀川区に本社を置く株式会社TCIが新たにリリースした「携帯動作AI検知センサー」。その名の通り、ATM利用者が通話をしているかどうかを自動的に判断し、異常を感知した際には、その場で音や光で警告を発する先進の防犯機器です。この製品は特に、ATMで発生する詐欺事件の防止に特化して開発されました。

詐欺被害の現状と背景

ATMでの通話中に行われる詐欺が増加しています。特に高齢者を狙った特殊詐欺が後を絶たず、犯人は電話越しにの指示に従ってATMを操作させ、不正に金銭を引き出す手口を使います。このような現実に対し、TCIが開発したセンサーがその対策として役立つのです。

2025年3月には、大阪府で「ATM操作中の通話を禁止する条例」が施行され、これにより通話とATM操作の問題がクローズアップされています。つまり、現場で詐欺行為をいち早く発見し、初期対応をすることが求められるなか、TCIの新製品の必要性はますます高まっています。

シンプルで高機能な設計

この「携帯動作AI検知センサー」は、携帯電話やスマホを操作している人をAIが捉え、その行動に応じた警告を行います。具体的には、通話中らしき動作を見つけた場合には、ATM上部に設置された警告機器が音声アラームやランプを点灯させて、周囲の利用者に注意を促します。このシステムは、特定の動作を認識するAIによるもので、過剰反応を防ぎながら正確な対応ができるところが特徴です。

TCIのセンサーは、検知から出力までの直結的なアナログ設計で成り立っています。通信機能や外部接続を排除することで、高いセキュリティを維持しつつ、コストも抑えたシンプルな運用が可能です。この設計は、ATM周辺の環境に合わせた柔軟な設置を実現しています。

高精度のAIによる動作識別

本製品には深層学習を用いたAIが組み込まれています。このAIは、人の手の動きや姿勢をもとに通話と判断される行動を判別します。具体的には、スマートフォンの持ち方や耳に当てる動作、ATM前での手の位置など、さまざまな動作を識別します。それに基づいて警告が発出されるため、迅速で効果的な防犯対策が実現します。