革新的エネルギーマネジメントシステム実証実験の概要
大阪府堺市に位置するIHIインフラシステム堺工場では、株式会社エネゲートとEnergyColoringが共同でエネルギーマネジメントシステム(EMS)の実証実験を進めています。これは、回路電圧の測定を行わずに有効電力と力率を推定できる新しいアプローチを採用しています。
背景と目的
近年、製造業では老朽化した設備を活用しながらも、エネルギーコストの最適化と生産性の向上を図る「レトロフィット」のニーズが高まっています。この実証実験は、電圧センサを使用しないことで導入コストや手間を軽減し、即座に現場で利用できるEMSの有効性を検証するものです。
実施内容
実証実験は2025年7月から2026年3月までの期間で行われ、以下の点に重点を置いています。
1.
エネルギー測定技術の検証:回路電圧を測らずにリアルタイムで有効電力と力率を推定する能力をテストします。
2.
AIを活用したディスアグリゲーション技術の検証:エネルギー使用の用途別内訳を1分刻みで分析するAI技術を活用します。
3.
短時間でのEMS導入の探索:工事時間を短縮し、迅速に導入可能なEMSの試験を行います。
特徴と利点
この実証の特筆すべき点や利点は以下の通りです。
- - 電気工事不要・迅速設置:エネゲートが提供する電流波形センサは、設置に要する時間が約30分で、電気工事が不要です。
- - 即時モニタリング:設置から1分以内にダッシュボードが利用可能で、現場や遠隔からリアルタイムでエネルギー使用状況を確認できます。
- - 持続可能な改善提案:省エネ診断士の知見を基にしたAIが、自動生成したレポートをもとに継続的な改善提案を行います。
各社の役割
このプロジェクトには、以下の3社が関与しています。
- - 株式会社IHIインフラシステム:実験フィールドとなる堺工場を提供し、生産性向上とCO₂削減を目指します。
- - 株式会社エネゲート:電流波形センサ及びゲートウェイ機器を提供し、実用化を図ります。
- - 株式会社EnergyColoring:クラウド上のAIを活用し、電力領域に特化した技術の実用化を進めています。
お問い合わせ情報
実証実験やシステムに関する詳細は、関係各社の公式サイトやお問い合わせ先をご参照ください。エナジーカラリングでは、興味を持たれた方のために資料ダウンロードを提供しています。メールでのお問い合わせも受け付けていますので、興味のある方はぜひご利用ください。
この実証実験によって、日本の製造現場におけるエネルギー管理が一層進化することが期待されています。私たちもその成果を注視していきたいと思います。