神奈川県「ほっともっと」全店舗で廃食用油の供給を拡大、国産SAFへと再利用

未来のための取り組み - 神奈川県での新たな一歩

日本の食文化を支える株式会社プレナスは、持ち帰り弁当の「ほっともっと」をはじめとする飲食店舗を展開しており、これまでに全国で2,809店舗を誇ります。持続可能な社会の実現に向けて、彼らは新たな施策を打ち出しました。それは、神奈川県内の「ほっともっと」全店舗より廃食用油の供給を開始し、これを国産の持続可能な航空燃料（SAF）の製造に再利用するというものです。

食品ロスと環境問題の結びつき

廃食用油は通常、廃棄物として処理されることが多いですが、その利用方法に新たな視点が生まれています。プレナスは、全国222店舗からの廃食用油を集め、年間約510トンを供給することで、年間に約1,275トンのCO2削減を見込みます。このような取り組みは、単に資源の有効活用にとどまらず、気候変動対策としても大きな意味を持っています。

参加企業との連携

プレナスは、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと連携し、SAFの供給チェーンを構築しています。これらの企業はそれぞれの専門性を生かし、持続可能な未来のために協力していきます。プレナスは「Fry to Fly Project」と呼ばれるプロジェクトにも参加しており、これは国内資源である廃食用油を原料としたSAFを用いて航空機を飛ばすという画期的な取り組みです。

SAFの重要性と未来

SAFとは、化石燃料ではなく、廃食用油など持続可能な原料から生産された航空燃料を意味します。その製造工程では、従来の航空燃料に比べ、ライフサイクル全体でCO2排出量を約80％削減できるというデータもあります。日本国政府も2030年には国内航空会社の燃料使用量の10％をSAFに切り替えることを目指しており、この取り組みはその達成に向けた重要な役割を果たします。

地域とつながる食の未来

このプロジェクトが成功すれば、廃食用油の安定的な調達にも繋がり、地域経済の活性化にも寄与するでしょう。毎年約10万トンの廃食用油が海外に輸出されている現状では、国内での利用促進が急務です。廃食用油を再利用することによって、輸送に伴うCO2排出も抑制できるため、ローカルな資源を大切にする意義が一層高まります。