医療の未来を切り拓く!MedipreX®心臓モデルが保険適用に
京都の株式会社クロスメディカルと国立循環器病研究センターの共同開発によって生まれた「MedipreX®軟質実物大3D心臓モデル」が、2025年6月より医療保険の適用を受けることが発表されました。この革新的な医療機器は、心疾患を抱える小児患者に新たな可能性をもたらします。
記者会見の開催
2025年7月2日、大阪府吹田市の国立循環器病研究センターにて、本機器の保険適用開始に関する記者会見が実施されました。会見では、製品の使用方法や模擬手術のデモが行われ、多くの報道関係者が参加しました。特に、柔軟な素材で制作された3D心臓モデルを用いた実演は、医療の現場で求められる実践的な価値を強く印象づけました。
開発の背景と医師の想い
このプロジェクトは、2009年に始まったもので、国立循環器病研究センターの小児科医師の「先天性心疾患の手術リスクを軽減したい」という強い願いからスタートしました。株式会社クロスメディカルは、その技術力を活かしながら、医療現場から得たフィードバックを反映させ、製品の具体化を進めてきました。
MedipreX®の特長と利点
「MedipreX®軟質実物大3D心臓モデル」は、患者個々のCT画像を元に作られた精密な3Dモデルです。このモデルは、従来の画像診断では見逃しがちな複雑な心臓の構造を立体的に視覚化し、医療チームが直感的に理解する助けになります。また、柔軟な素材を使用しているため、手術の切開や縫合を模擬できるため、実際の手術のシミュレーションが可能です。これにより、医師は更に準備を整え、自信を持って手術に臨むことができるのです。
使用目的の多様性
- - 複雑先天性心疾患の診断: 既存の画像診断だけでは難しい心臓構造を的確に把握し、診断をサポートします。
- - 手術計画の検討: 内科医と外科医が協力し、手術方法を決定するための基盤となります。
- - 手術シミュレーション: 実際の手術の流れを模擬し、医師のスキル向上に貢献します。
支援と連携の重要性
この開発プロジェクトは、日本医療研究開発機構(AMED)など多くの公的機関からの支援を受けて進められました。医療と産業の連携を通じ、検証を重ねることで、医療機器としての信頼性を確立しています。
世界への展望
「MedipreX®軟質実物大3D心臓モデル」は、医療機器の承認および保険適用がなされた世界初の事例であり、これから国内のみならず海外展開を目指しています。さらなる技術開発と充実した供給体制を整えることで、世界の小児心臓外科の発展に寄与したいと考えています。
謝辞と本件に関するお問い合わせ
このプロジェクトは、以下の機関の協力を得ていることを忘れてはなりません。
- - 日本医療研究開発機構(AMED)
- - 京都府立医科大学
- - 京都府商工労働観光部
- - 京都府健康福祉部 薬務課
本件に関する詳細や画像提供のリクエストがありましたら、株式会社クロスメディカルへのお問い合わせをお願いします。
医療の未来を切り開く新たな一歩として、これからの展開に大いに期待が寄せられています。