意欲とホルモンの関係
2025-07-28 02:28:19

岡山大学の最新研究が示した意欲とホルモンの新しい関係

ニューロメジンUとモチベーションの新しい発見



国立大学法人岡山大学の研究チームが、ホルモン「ニューロメジンU」の欠損がどのように意欲に影響を及ぼすのかを明らかにしました。研究結果は、ラットモデルを用いた実験から得られたもので、意欲的な運動行動の低下が観察されました。

1. 研究の背景



岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の相澤清香准教授とその研究チームは、ニューロメジンUというホルモンがモチベーションに及ぼす影響を探るべく、遺伝子改変を行ったラットを使って実験を行いました。研究の一環として、自発的な運動行動を測定するために、ラットに回し車を設置しました。

2. 実験結果の詳細



実験の結果、ニューロメジンUが欠損したラットでは、回し車を使った運動が著しく減少していることが分かりました。この行動は、単なる日常的な活動とは異なり、ラットにとっては強い意欲に基づく行動とされています。このように、モチベーションに関連する行動が質的に変化する様子は、内分泌リズムにおけるニューロメジンUの重要性を示唆しています。

さらに、これらのラットは男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度に日内リズムの乱れがみられ、通常のピークが存在しないことも確認されました。これは、生物の基本的な欲求やモチベーションに関連するホルモンのリズムが、大きく変化することを示しています。

3. 研究の意義



本研究の成果は、ホルモンとモチベーションを結びつける新たなメカニズムを示したものであり、今後の研究の道筋を示しています。特に、ニューロメジンUが関わることにより、ホルモンの乱れがモチベーションにどのようなマイナスの影響を与えるのか、またその逆の関係についても更なる研究が期待されます。

この発見は、うつ病や気分障害など、モチベーションの低下が関与するとされる疾患の理解を深める手助けとなる可能性があります。さらに、ホルモンの異常や体内時計の乱れによって引き起こされる健康問題にも新しいアプローチを提供するものと期待されています。

4. 研究者のコメント



相澤准教授は「この発見を通じて皆さんの『やる気スイッチ』を理解する手がかりになれば幸いです」と述べています。モチベーションを高めるための具体的なアプローチが学問の進展により解明されることで、生活の質を向上させる手助けを目指しているそうです。

5. 論文発表と今後の研究



この研究は、2025年6月5日付で国際学術誌『Endocrinology』に掲載され、注目を集めています。今後も、ニューロメジンUによるモチベーション調整のメカニズムを詳しく探求していくことが予想され、その成果が期待されます。

この新しい発見が、私たちの日常生活や健康、特に精神的な健康にどのように寄与するのか、今後の研究に注目が集まります。


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